「「王道こてこてテンプレ映画」だけど、SFはそれが面白い!」トゥモロー・ウォー Trinityさんの映画レビュー(感想・評価)
「王道こてこてテンプレ映画」だけど、SFはそれが面白い!
よくサスペンス系の2時間ドラマでは、◯十分後に1人目が殺害され、さらに◯十分後には2人目が殺害され、1時間が過ぎたタイミングでホワイトボードを使い事件をおさらいし、その後事件は解決の方向へ向かうかと思った矢先に3人目が殺害され、事件解決への雲行きが怪しくなりかけるが、主人公の奥さんの何気ない一言がヒントとなり、4人目が岩場で殺害される瞬間に割って入り自供を促すという、こてこてなテンプレの流れがあると思います。展開が読めるのに多くのファンの心を掴んで離しません。SF映画にも、なんとなくお決まりの展開がありますよね。この映画はそんな王道展開大好きな方こそ見てほしいです。
この映画は、未来で起きているエイリアンの侵略を過去の人間がタイプワープして救うという話です。大まかな展開としては、エイリアンとの衝撃の「遭遇」から始まり、襲われ「劣勢」になり、対策を立て解決の糸口を掴み「希望」を持ち、成功する直前にアクシデントが起こり再び「劣勢」になり、窮地に立たされますが、機転と行動力で「解決」へ導くという映画学校とかでまず習わされそうな基本的な展開だと思います。
ただ、私はこの映画をディスりたいのではないんです。こういうコテコテ展開が大好きなんです。なんか安心するというか、わかりやすいというか、率直に言って面白い!月並みではあますが、この一言に尽きます。
エイリアン系ではお決まりの、なかなか姿を見せない演出。未来へ着くと、いきなりエイリアンに襲われます。が、足元や手元など体の一部しか見せてくれません。どんな姿形をしているのか、想像力が掻き立てられます。エイリアン系映画のお決まりですよね。
うわーこの先どうなっちゃうんだろうから、一件落着かと思わせといて、もう一悶着あるみたいな。そんな展開が好きなんです。しかも設定がエイリアン侵略というこれもまた映画学生が最初に思いつきそうなストーリーではないでしょうか。いやディスりたいんではないんです。本当に。そういう設定が好きなんです。
小難しい展開やメッセージ性など無視して、単純に映画を楽しみたいという方にぴったりです。
エンターテイメントって、お客の期待値に応える方法と良い方で裏切る方法があって、どっちも大事なんだけど、これがなかなか難しいですよね。
期待どおりに勝利して終わってくれて、なお溜飲を下げさせてくれる…そんな映画はいい映画だと思います。