「我が子よ、父は…」トゥモロー・ウォー しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
我が子よ、父は…
"トゥモロー・ウォー" シリーズ第1作。
Amazon Prime Videoで鑑賞(吹替)。
今から30年後に勃発しているエイリアンとの戦争に勝利するため、未来からの応援要請に応じて現代から兵士を送り込まなければならない、と云う設定が斬新でした。
はじめの内は軍人が派遣されていたものの、タイムトラベルが出来る者にはとある条件のあることが判明し、人数を確保するため広く民間人からも徴兵することに…
主人公のダンにも召集令状が。生物学者にして元兵士のスキルを活かし、碌な訓練も受けぬまま未来へ送り込まれた仲間たちを率いて、過酷な戦場をサヴァイブすることになり…
異星人「ホワイトスパイク」は非常に獰猛且つ敏捷で、触手の先端からスパイクを発射して相手を攻撃し、倒したら捕食してしまう…。奴らは突然ロシアに出現し、瞬く間に勢力を拡大。人類は滅亡の危機に立たされました。
ですがこのホワイトスパイク、1匹のメスを中心に無数のオスが軍隊的行動を行う社会構造で、とても惑星間航行出来る高度な文明を持っているとは思えない…。その違和感が伏線になり、クライマックスへ繋がる構成が秀逸だなと思いました。
人類とホワイトスパイクとのバトルシーンはダイナミックな迫力の連続!―マイアミでの市街戦、海上にある人類の拠点での戦い、氷河での最終決戦…と舞台が目まぐるしく変わり、それぞれの場所の特性を活かした戦いが展開され、1本の映画で3本分を堪能したような気分になりました。
本作の魅力はアクションだけにあらず。父と子のドラマもよく出来ていました。ダンとミューリの父娘、ジェームズとダンの父子、それぞれの確執と和解がきちんと描かれていたことにより、ホームドラマ的側面がアクションシーンをエモーショナルに彩っていて、とても感動させられました。
コロナ禍の影響で劇場公開が断念されたとのことですが、この迫力は是非とも映画館で体感したかったなと思いました。
※修正(2022/09/25)
一度見たのに、また、見てしまいました。解っていても、ハラハラドキドキ。
大きくなった、ミューリと、ダンのシーンで、何度もホロリときて、しまいました。でも、未来に行ったからこそ、
ダンは、同じ過ちを、繰り返さないよう、家族を大事に、お父さんを大事に生きて行くんだろうなぁと思いました。
途中で抱いた違和感が本編の中で解明されて安心しました。伏線もちゃんと効いていて、いい感じでした。
続編の計画が動き出したと云うニュースを読んだので、あくまでも妄想ですが…氷漬けになっていた宇宙船を破壊したことで、エマージェンシーシグナルが自動的に母星に送信され、援軍が大挙してやって来る、と云うのはどうでしょう?(笑)