「力技なところはあるが、巧みな脚本と配役で魅せる」トゥモロー・ウォー 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)
力技なところはあるが、巧みな脚本と配役で魅せる
140分という重量感に眉を潜める人もいるかもしれないが、現在と未来をつなぐタイムトラベルの流れや人類の過酷すぎる運命のことなどを考えると、むしろこれほど込み入ったストーリーをよくぞ140分でまとめ上げたと褒め称えたくなるほどだ。そこで突きつけられる地球の未来。現代人に課せられた使命。それを受けての召集過程や反戦運動にはアメリカの”かつて見た景色”が否応なく重なるが、こうやって編成された即席部隊がいざ市街戦へ投入されると、恐るべきエイリアンとの攻防がかなり臨場感たっぷりに描かれ、個々のキャラクターも短時間ながら印象的な人間性を覗かせる。そして特筆すべきは”家族”の織り込み方だろう。前半部で描かれた要素が後半になって大いに重なり合い、活かされていく展開はなかなかのもの。相変わらずのクリス・プラットの安定感に心を寄せつつ、脇を巧みに固めるJ・K・シモンズの存在感にもニヤリとさせられる一本である。
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