ワイルド・ローズのレビュー・感想・評価
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責任を持って欲しかったけど、希望を奪う気はなかった
映画「ワイルド・ローズ」(トム・ハーパー監督)から。
カントリー歌手を目指す女性が主人公であるが、
私は何故か、その彼女の母親の心境に共感してしまった。
親として、我が子をどう応援していくべきか、葛藤があったと思う。
もちろん、刑務所に入るほどの犯罪を犯す娘の将来に不安はあり、
さらに、自分の夢を追い続け、子育てをしない行動に不満もあった。
けれど・・自分の娘、親だけは最後まで信じてあげたい、
そんな気持ちも持っているんだろうな・・と思っていたら、
案の定、嬉しい場面が物語後半に展開された。
母親が自分の素直な気持ちを娘に打ち明けるシーン。
「責任を持って欲しかったけど、希望を奪う気はなかった」
「15歳で働く必要がなければ私は大学に行きたかったし、行ったはず。
夢は薬剤師だった。問題はなぜ行かなかったのか。
あなたを産んだ後にでも行けた。
でも子供に夢を託したほうがラクだったのよ。自分で夢を追いかけるよりね。
ガッツがなかったの、それが真実。でもあなたは違う。
子守は任せて行きなさい。未来を見てきて」
周りが娘のことなんと評価しようと、私は母親。最後まで信じる。
そして、自分を見つめて帰ってきた娘の歌声に、涙する。
「黄色いレンガの道はグラスゴーにないけど、
石よりも強いものを見つけた。どこよりも故郷が1番。どこよりここが1番」
久しぶりに涙腺が緩んだ作品だったなぁ。
カントリーマアム
主人公のやさぐれた言動の連続に、「ローズ」や「ジュディ」の記憶が甦ってきて、またぞろミュージシャンが破滅していく話かと思いきや、さにあらず。かと言って、定番の「スタア誕生」物語へも極力寄せず、BBCのお偉いさんに気に入られてデビューするでもなく、豪邸でのチャリティーライヴで成功するでもなく、ナッシュビルのゲリラ歌唱で一躍脚光を浴びるのでもない。少しずつ想定を外して、ほど良く地に足のついたエンディングへと導いていく。
20年パン屋で働いてきたという母親の吐露がとりわけ胸を打つ。主人公の子どもとのぎごちない接し方もせつない。英国では犯罪歴のある人間に皆GPS付きの足輪をはめるのだろうか。近頃何かにつけて彼の国の労働者階級のやるせなさを映画で目にする機会が多い。
ナッシュビルのライマン公会堂での歌からラストのグラスゴーのステージでの歌まで、不覚にも涙が止まらなくなった。たぶん、それは物語と言うよりは歌の力のなせる技だ。この映画で圧倒的な歌唱を披露したジェシー・バックリーが、次作の音楽映画では完全に裏方役に徹しているのも意外だ。
グラスゴーというと、この街出身のバンド、ディーコン・ブルーのファースト・アルバム“RAINTOWN”のジャケットが思い浮かぶ。すすけたような工業都市にカントリーは似合わない気がするけど、その片隅で歌い続けるローズにはエールを送りたい。
p.s.ロバート・アルトマン監督の「ナッシュビル」は、ミュージシャンたちが共和党の大統領候補のキャンペーンに巻き込まれていく話。時節柄、今見ると別の感慨があるかも。
スコットランドのアメリカ人
ヤバ。このローズ・リンに全然共感出来へん。乱暴者やし、酒飲みやし、あららな事をえええな場所でするし、仕事中に酒くすねて飲みまくるし、子供達との約束は酒飲んでてすっぽかすし。列車の中でバッグ盗られるとか自業自得だから喚くな。夢を実現するチャンスとは言え、子供達を置いてパーティーとか最低でしょ、最悪でしょ。Wildというより、Animalでしょ。
だけどだけどだけど。このまま終わっちゃ映画になりません。
"Three Chords and The Truth" は有名なフレーズ。そのココロは「シンプルに真実を歌え」。BBCを訪れたローズ・リンにボブ・ハリスは問います。
「君のメッセージは何だ?」
あの時点でローズ・リンが答えられるはずもなく。「ナッシュビルで夢を叶えたい」。頭の中には、それしか無いから。メッセージが音楽に必要な"Truth"。伝えたいこと、言いたいことが無い歌に価値はねーぞ。誰にでも歌える歌を歌うだけでは、プロにはなれない。
子供達を抱いて眠れる幸せ。ビーチを訪れて感じた安らぎ。ナッシュビルには無いもの。ナッシュビルの本物の"Grand Ole Opry"のステージで歌ったローズ・リンは、ボブ・ハリスの言葉を、やっと理解します。飛んで帰ってグラスゴー。生まれ育った街で、母と子供達を前に自分自身の真実を歌うローズ・リン。で、お終い。
ジェシー・バックリーのキャリアを見たら、歌から始まってるんですね。知りませんでした。どうりで、堂々とした歌いっぷり。今、巷(欧米)ではオーディション番組が大流行です。AGTとかVOICEなんか、たまに腰抜かすくらいの歌い手さんが登場します。日本は動画公開サイトですかねぇ。そう言うのを見慣れてると、ローズ・リンの歌は正直物足りないってのがw
最近、女王蜂がお気に入りのわたくしとしては、歌の迫力不足が地味にマイナスポイントだった事を告白しておきます。
スリーコードと真実!ところが、劇中のほとんどの曲がスリーコードだけでは弾けない真実
最初から感動した!そんな馬鹿な・・・刑務所出所からスタートすると言えば『ブルース・ブラザーズ』。そんな驚きとともに、カントリーとは言っても生ギターのオープンチューニングとスライドギターの音色にとりあえず感動してしまったのです。もう頭の中は「サントラ欲しい」。
14歳の時から一緒にバンドやってるから♪と、パブのステージに飛び入り参加するローズ。歌ってた下手っぴな男を蹴落とすというワイルドでファンキーなシングルマザーのローズ。バンドメンバーも文句も言わず彼女に合わせていくといった展開を見せるなんてのも『ブルース・ブラザーズ』に似てると思った。
スコットランド・グラスゴー。タグを付けたまま時間制限を守らなければならない鬱屈した出所後のローズも、弁護士の力により外してOKになったときの陽気な笑顔がチャーミングだった。しかし、歌えば歌うだけ子供たちへの愛情も薄れ、やがてそれが原因ですんなり歌手デビューする夢も揺らいでしまうのだ。動画配信したりパーティでクラウドファンディングを募るという今風の展開も良かったのに、バンド練習と子供と過ごす休日を天秤にかけてしまったからだ。
カントリー(&ウェスタン)にこだわり、腕にはTHREE CHORDS AND THE TRUTHという刺青を施し、破天荒なまでに生きる姿はソウルフルながら心に響く歌声を披露するローズ。大好きなロンドンBBCのボブ・ハリスに直接会うこともできるのですが、楽器を弾くこと、オリジナル曲を持つことの大切さを知る。
パーティでのすったもんだの後、ナッシュビルのライマン博物館内のステージでいきなり生歌を披露し、ヴァイオリニストがそれに合わせるシーンがとてもいい。澄んだ歌声は天使のように会場に響くのだ。ここでの警備員のやり取りも絶妙。破天荒な彼女の心が見えてくる。カントリーとは何なのだ?!
とにかくムチャ歌が上手いジェシー・バックリー。エンドクレジットも注視したけど、ほぼ彼女自身が歌っていた。夢や希望までは奪っちゃだめよね・・・と、ローズの母親の言葉も良かった。かなり逡巡があったのだろうけど、決断も彼女らしいものだった。スザンナの女優ソフィー・オコネドーも素敵だったし、双子の男女も良かった。もちろん、ボブ・ハリスが最後のステージを観ていたことも嬉しくなってしまいます。カントリーなんて大した歌詞はないものだという先入観も変わってしまいました・・・
カントリー&ブルースじゃなくて、カントリーね…。
・冒頭からローズの歌唱力に引き込まれた。カントリーって、全然聞いたことなかったけど、素晴らしかったです。
・自分勝手で自由奔放な彼女が成長していき、ナッシュビルで彼女が見つけたこと…。
ラストシーンのステージが、歌唱力+メッセージが込められていて、感動しました。
青い鳥を探して
彼女なりにもがき苦しんで、自分の夢を掴もうとしている。それは彼女にとって真っ当なこと。まだ見ぬ地、憧れのナッシュビルが大きすぎて、ここじゃない、これじゃダメと周りの全てとぶつかりまくってる。子供過ぎて子供を慈しむことができない。でも仕事先の家庭での出来事なんかで少しずつ気持ちが整っていき、それにつれ子供との関係が作られていく。その流れが本当に救いになる。よい扱いをされると善き人になる。結局ナッシュビルは彼女にとってなんだったんだろう。ライマン公会堂で歌った“when I reach the place I’m going”が素晴らしかった。自分の中にナッシュビルを見つけたんだね。
3コードの真実?
カントリーはE」と「B7」「A」で弾けることができると聞いた。ヤンキーなママが自分のタレントを信じて歌手を望むがうまくいかない。おばあちゃんに子供預けひたむきに歌手を目指すが子供や親どの距離が離れてゆく。
殆どの女性が子供を産むことで自分の夢あきらめていく。カントリーの本場ナッシュビルへ乗り込むことができたが彼女はそこで3コード(和音)の真実を悟ったようだ。
親、自分、子供が支え合ってカントリーを歌い続けることが本当の自分の望む姿だと。
英国の故郷で歌うことが真実だと知ったのだ。
感激しました。
母親としては…だけど、夢を歌い上げる奔放なローズはカッコいい作品です。
「ボヘミアン・ラプソディー」から、歌手の成り上がり伝記物が定期的に製作されてますが、この作品も一連の流れを受けての製作なんでしょうが、なかなかの評判との事で観賞しました。
で、感想はと言うと、いろいろ思う所はあるけど、嫌いじゃない。割りと好きかもw
「ジュディ 虹の彼方に」に出演しているジェシー・バックリーが主演しているが、「ジュディ 虹の彼方に」の様でもありますが、個人的には「コヨーテ・アグリー」を思い出しました。
自分の夢を叶える為に様々な事に悩み苦しみ葛藤すると言うのは王道パターンではあるけど、主人公のローズがどうにもダメダメw
初っ端から刑務所を出所するが彼氏の元に訪ねていきなり青カンw
まあ、性欲を抑えられなかったと言うのは分からなくはないけど、子供に会いにいくのが先じゃね?と思ってしまう。
子供に会うのも何処か辿々しい。子供等もなんか余所余所しい。互いの距離を時間が足りなくて埋めきれてないのは分かるけど、どうにもローズがワガママなのが原因に映る。
そもそも子供に愛情が無い訳では無いんだけど、自分の夢の方が大事と言うのが物凄く伝わる。
仕事として家政婦をするが、仕方なくやっている感がアリアリで、たまたま誰もいないと思って熱唱していたのを見られた事で夢の扉が徐々に開いていくが、どうにもたまたまラッキー感が強くて共感し難い。だって家主がいなくなっていきなり家の酒を黙って飲みだすってどうよ?
また、カントリー歌手としての夢を叶える為にナッシュビルに行く旅費と滞在費を雇い主に出して!と臆面もなく言うのが図々しいw
“ミネラルウォーターを飲むのを控えたら、捻出できるでしょ”と雇い主に言うか?
自分だったら"お前が先に自分で貯金せいや。あんたクビ"と言いますわw
もう、ローズがワガママで傲慢。自由奔放と言うか、身勝手過ぎる。
極め付けはパーティーでのお披露目の為に練習で子供達を知り合いに預けまくる所。
いや〜アカンでしょ。子供達の心も離れていくのは十分解る。
ローズの身勝手に気持ちが乗り切れないと言うか、共感が出来ないんですよね。
雇い主のスザンナの旦那に“パーティー以降はもう来ないでくれ”と言われ、子供達との心の距離が離れている所に悲痛になりながらも下の男の子が怪我をしてもそれでもパーティーでのお披露目に参加するが、良心の呵責に耐えきれなくなり、歌も歌わずに、スザンナに全てを打ち明け、その場から立ち去る。
結局歌わず仕舞いでスザンナの協力は粉々。協力していたバンドもほったらかしw
もう、アカン過ぎw
ここから真摯に様々な事に向き合っていき、自分の家族と夢に向き合うが、そこまでがダメダメ過ぎる。
…でも、なんかリアルなんですよね。
若い時に子供を産んで、いろんな事にヤンチャ。まだ20代半ばなので夢だって諦めきれないし、なまじ才能があって、根性もあるだけに諦めきれない気持ちは十二分に解るんですよね。
母親もそこには共感もし、同情する。でも子供達の事を考えた時にローズの気持ちだけを尊重する訳にはいかない。だって一番かわいそうなのは母親のいない寂しさを味わっている子供等だから。
母親の理解と協力があっての夢の挑戦に結構ギリギリまで理解しないローズに結構イラッと来たりしてましたが、まあ夢を追う人って周囲からすると結構ワガママこの上ない。
「ワイルド・ローズ」とはよく言った題名でまさしく「ソレ」と言う感じ。
でも、綺麗事にしない所が結構好きです。
ラスト手前ぐらいから、自分を押し殺して、従順になったローズ辺りからちょっと話が強引にまとめようとしている節は多々ありですがw
主演のジェシー・バックリーは若くてエネルギッシュでワガママで自由奔放で子連れらしく少し疲れた感じが絶妙に出てますw
でもなんかカッコいい♪ちょっと可愛いw
個人的にはなんとなく相川七瀬さんをイメージするんですよね。
ロースの元旦那が不透明なのは良いとしても、彼氏やスザンナの騒動後のその後が結構曖昧。スザンナの旦那も嫁と子供等を思って言っただけなのでそんなに悪くないのに、なんか悪いイメージに見えるw
ローズの母親のマリオンとスザンナは間違いなく良い人ですw
劇中で描かれているグラスゴーは限りなく田舎な感じですが、世界的な獣医学で権威な大学がある街。
ナッシュビルは音楽産業のメッカでテネシー州と言えば「ジャック・ダニエル」が有名。個人的にはジャック・ダニエルの方が馴染が深いんですがw
田舎町にいても夢はなかなか叶えられない。だから夢を叶える為に街に出ると言うのはすごく分かる。
そんな夢への葛藤と挑戦に共感をしたりはしますが、母親としてのローズにはちょっとウンザリ。でも女性としてのローズはカッコいい♪
近くにいると迷惑この上ないけど、端で見てる分には面白い。
でもそんなローズが魅力的。
夢だったナッシュビルでのシアターで無断で歌い出すがその憧れの地に想いを馳せるシーンやラストの地元グラスゴーでのライブは結構グワッと来ます。
もう、この等身大の裸の心のローズが良いんですよね。
結構いろんな事を書きましたが、ローズのワガママにノレるかノレないかで評価が変わったりしますが、個人的には割と「アリ」かと思いますが、如何でしょうか?
成功ストーリーと思いきや
イメージ的にアリースター誕生のイギリス版ってな感じで見ました。
実際は、失敗、子供、親等、色んなものと葛藤し、手に入れたチャンスもうまく活かせない。
憧れ、現実。
ナッシュビルに行きたい❗️
その必要が本当にあるのか。プロデューサーに言われた時、何かスイッチが変わった気がするが、憧れを簡単には取り外せない。
言った手前、嘘を突き通す、色んなことにボロボロになり、夢を諦める。
1番、彼女の幸せを考えてくれたのは、母親だった。
希望を失った彼女、憧れの地に行くチャンスを与えてくれた。
そこで気付くのだ。ナッシュビルじゃないといけないのか。
自分がすでに手にしている大切なものに。
最後は手元にある大切なものたちを、大切にすることで手に入れた幸せを感じることが出来た。
歌声も素敵でした。
間違いない!ジェシー・バックリーの出世作だ!
「お歌が上手いのねぇ~🌠」オーディション番組で注目された歌手!ジェシー・バックリーの歌声にのけ反った
・・が、物語前半のローズのカントリーソングには何の響きも感じなかった
あまりにも自己中なやさぐれシングルマザーにかなりご立腹な私でした
親不孝、子不幸なローズを叱咤してひっぱたいてやりたいわぁと、完全に母ちゃん目線でしたね・・💦
不器用な生き方のローズだが持ち前の意志の強さとチャンスになる出会いにより夢の場所に近づく機会を得る・・
そしてローズ自身も周囲の人々の愛情にサポートされ少しずつ成長し活力を見つけて行く・・
ラストのステージで歌うローズの歌声は魂が震える程、心に響いた
「ローズの母」「ローズの子供達」で良かったと思える程、幸せそうな笑顔の家族を見られたからかもしれないな!
ドラマ「チェルノブイリ」「ジュディ虹の彼方に」等でも印象付ける演技を見せたジェシー、今後も数々の作品で私達を楽しませてくれる事でしょう!
・・レイトショーも復活して映画館に通える幸せに今日も感謝🍀
母と娘の物語
20代のシングルマザーが1年の刑期を終えて、子どもの面倒を見てくれていた母親の元へ戻ってくる。おばあちゃんと離れたくないと泣く子どもたちと新居に引っ越して、過去は明かさずに資産家の豪邸の掃除人の仕事を得て何とかやっていくが、本当はウェスタンのシンガーになりたくて、グラスゴーで悶々としている。
前半はやんちゃな女子と見守る周囲の人たち、というありきたりな感じで、主演女優の「ジュディ」でのまじめな雰囲気からの変貌ぶりくらいしか見どころがない気がしていたが、子どもを置いてでも歌手を目指すという主人公に批判的な母親が、とうとう娘に援助を申し出て、自分の思いを語るところが秀逸。親というのは自分の夢の実現に努めるより、現実の生活に合わせて夢を子どもに託すものなのだ。そしてそれで後悔しないかと言ったら、必ずしもそうではないのだ。
BBCのあのくだりは何だった?
イライラしちゃった
やりたいことはあるが、実現方法がわからずにくすぶっていて、やることが裏目にしか出ないヒロイン。
前科者であることやシングルマザーであることを活かして宣伝するくらいのタフさやずる賢さがないと、成功しないと思うが、その知恵もなく。
映画の狙いとして、底辺からなにかのきっかけで気付きを得て、真の母親と歌手になっていくまでの再生ストーリーなのはわかる。
ただ、ダメ人間な表現時間が長く引っ張り過ぎで、観ててつらくて。
気付きを得てからがやっとスタートラインで、そこから成功がどれほど難しいかを描かず、すっ飛ばしちゃったのも、なんだか消化不良。
動画配信で一転成功、みたいな安易さがなかったのはよかったが。
主人公の姿を「今の世代の価値観をもつ、悩みながら成長する自由闊達なヒロイン像」と捉えるか、「ノリで生きてるだけで、子どものまま子どもを産んだ無計画かつ無責任な人間」と捉えるかで、共感出来るか出来ないかの境目になるのかな、と。
私は後者でした。
観てる間、イライラしちゃって。
作中で素晴らしかったのは、主人公の母親役と娘役の演技でした。
などと感想を抱いたら、実話がベースなんだって。
誰なんだろう、これ?
最初は、どっかなって!
いきなり、ブタ箱から出所。脚にGPSつけられて。
いきなり酒のんで男友達と公園でfuck。ガラ悪い映画やなって。お母さんに預けぱなしの子たちは、お姉ちゃんは、喋らんし、弟くんはなんか多動だな!夢を諦めたくない、しかし、子たちも心配。家政婦先の奥さんが協力してくれるが...。家族との繋がりが良かったね。
ナッシュビルには、行ったけど最初は自分の力で
夢をつかむんやな。ジェシーバークリーは、ジュディやドリトルでその顔は知ってたが、こんなに素敵に歌が上手いなんて!
新しい価値観
まさに今の時代にあった作品だなと感じた。
この作品の主人公であるローズはまさにダメ親でありどうしようもない勝手な性格で共感は全く生む事はない。
ただそれはなぜかと自身に問いかけてみると、「親なのに親らしくない」ってのが根本にあるわけだ。
では、その親らしいという理想像はなにか。子供を第一に子供のために人生を捧げる事なんだろうけど、それがもう固執した価値観であって今の時代、そしてこれからの時代はそうでなくてもいいんじゃないかというメッセージ性のある作品に思えた。
もちろん序盤に描かれたローズの子供に対する姿は決して良いものではないと思う。子供の存在を隠して生活し、そして子供の面倒を自身の母親に任せることが当たり前になりフラフラした生活を送ってるわけだ。
ではそれはなぜか。彼女自身も親としてあるべき存在というものが心にそして頭にはありながら、でも自身が描く理想の姿、やりたい事を本気でやれない事からなにをやるにも中途半端で投げ出す生活を送ってしまってるわけだ。
この作品では分かりやすくシングルマザーでありながらアーティストになりたいという夢を捨てきれず、育児との現実で悩みもがく姿を作品として描かれてるが、これは世の子を持つ親たちの各々の悩みと照らし合わせたり置き換えて見ることができるのではないか。
親だからやりたい事、そして夢や理想を捨てより現実的な事に進むことはもちろん悪い事ではないが、追いかけるのもまた悪い事ではないのであろう。
もちろん序盤のローズのように心の迷いや中途半端な覚悟では周囲を不幸にするだけの結果になってしまう。
強い覚悟と気持ちがあって初めて周囲を納得し、理解されてその背中を押してくれるのであろう。
もちろんその内容によっては周囲の協力がなくしてはならい場合もある。だからこそ周囲がついてきてくれるような強い覚悟と気持ちが必要なのであろう。
日本においては近年、結婚の平均年齢が遅くなり、そして子供を生まない家庭が多くなった。
この背景にはこの作品で描かれているように子供を育てる事で自分のやりたい事に限りが出るといった理由が原因に当たるのも多くの理由の一つではないか。
もちろん育児をしながら独身時代のように何もかも不自由なく好きなような事がやれるとは思わないが、育児を理由に夢や理想を捨てるのは違うのではないかとこの作品で凄く感じさせてもらった。
育児の真っ只中の親となる方々が見れば共感、そして励まされる場合もあるのではないか。そしてそうでない人人にとっても、新しい価値観に触れることのできる作品となるのではないかと感じた。
【"三コードの真実"を胸に刻んで" 一人の素晴らしい歌声を持つ若きシングルマザーが葛藤しながらも成長する姿を描いた作品。】
■今作品が心に響くのは
・ある罪を犯し、刑務所に一年収監されていたローズ(ジェシー・バックリー:歌声も演技も素晴らしい。)が小学生の娘と幼き息子を深く愛する一方、自らの夢を叶えたいという心の葛藤をきちんと描いている所であろう。
・劇中、ローズが披露する素晴らしき歌の数々が、彼女の心情と見事にシンクロしている所も、効果的である。
■印象的なシーン
・刑務所を出獄した後、まずは知り合いの男とイッパツ情を交わした後、殊勝な顔で子供達の面倒を見てくれていた母の家を訪れるシーン。
- あんまり成長していないなあ、ローズ・・。母、娘とのぎこちない関係性も一発で分かる。-
・ハウスキーパーとして裕福なスザンナの家で"一杯飲んで"歌いながら働く姿。幻のバンドメンバーの姿も楽しい。
そして、スザンナの好意により、憧れのナッシュビルに行く夢が叶う寸前まで行くが、自らの虚飾と子供達の存在に葛藤するローズの姿と決断。
- 今作品の中盤の白眉シーンである。-
・娘の心情を知り、かつて自らの夢を諦めた母から"パン屋で二十年働いて稼いだ"大金を渡されるシーン。
- 母との確執が、解けていく・・。派手さはないが、沁みるシーンである。-
・憧れのナッシュビルで、カントリー発祥のミュージックホールで自らの思いを歌い上げるシーン。
- 可なり沁みる。そして彼女はある決断をする・・・。-
〈母親として生きる。そしてカントリー歌手としても"故郷"で生きる。愛する大切なモノのためにローズが選んだ選択肢。
ラスト、故郷のステージで"ある歌"を素晴らしい声量で歌い上げるローズの姿を誇らしげに見上げる母、娘、幼き息子、スザンナの姿が、印象的な作品。
ローズの歌声の素晴らしさと共に、一人の女性が悩みながらも、逞しく成長していく姿を描き出した作品でもある。〉
母と娘の愛 夢はいつからでも追える
刑務所から出てきたばかりの若いシングルマザー、才能はあるのに不器用でヒステリックなせいか中々うまく物事が進まない。
夢を掴む目前で、過去を調べられてそのことから結局うまく行かなかったり。
真剣に子育てに向き合いながら母としても人としても少しずつ変わっていく彼女の姿に涙。また、彼女の姿を見守っている実母に涙。この物語は実母なくしては不可能ですね。
そう、子育てってついつい自分が叶えられなかった夢を子供に託してしまいがち。物心つかない子どもの習い事とかはまさに親のエゴだと思う。(親としての経験者だから言える)
でも、お母さんのようなやり方で自分の夢を叶えるのもありなんだなって、、8歳の長女の表情が物語を通して変わっていく、そんな姿にも涙。
ママになっても、過去に失敗しても、何歳になってもチャレンジし続けることは素晴らしい!前向きになれる作品でした。歌声は素晴らしい!
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