「見知らぬ料理が一堂に会する!」エイブのキッチンストーリー N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
見知らぬ料理が一堂に会する!
ユダヤとムスリム。
言われたところでピンと来ない日本人だった。
正直、似て非なるものとさえくくっていたが、
知っての通り、両者の間には因縁の歴史が。
ともすれば血生臭くもなりがちなテーマを
何とポップでナイーブかつ爽やかに仕上げた1本であることか。
いや、主人公世代の視点からすれば歴史はもう、そんな風にカテゴライズ、
処理されてしまう煩わしい出来事でしかないのかもしれないと思ってみたり。
そこへまさにスパイスと絡む料理の数々が興味深かった。
惜しむらくは匂いがまるで分らない事だろうか。
それこそ映画の弱点と残念でならない。
食は文化であり、アイデンティティであるとするなら
主人公のような存在こそが軽やかな未来を創るに相応しい
そんなメッセージを感じ取れた1本だった。
エグいものが多い中、思い切った振り幅に拍手。
少しご都合主義なところも、いい味だ!
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