「どこにも居場所のなかったあなたへ」燕 Yan siosabaさんの映画レビュー(感想・評価)
どこにも居場所のなかったあなたへ
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主人公も、主人公の兄も、主人公の兄の恋人も、主人公の母も。世界のどこにも居場所がなかった人々の物語。凡庸なストーリーと感じたとしても、それはこの物語が誰にでも当てはまるものだから。
多用されるカットの切り替えが、寄る辺のないそれぞれの人たちを象徴する。暗い路地裏、夜の帳、どこまで行っても自分のものじゃない街、川面を吹く風、安食堂で一人飲むビールの味。そういったものが腹の底にいつもある人たちかそうじゃないかで完全に評価が分かれると思う。
映画の作りとして決して完成度が高いわけじゃないし安易なメタファーも目につくけど、自分のバックボーンと重なりとても刺さった。観てよかった。
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