劇場公開日 2020年9月18日

  • 予告編を見る

「さぁ、鍵を開けて外界へ」プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5さぁ、鍵を開けて外界へ

2022年8月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

2020年(イギリス/オーストラリア)
脱獄の手段として、扉(それも10個もある)
その扉をいちいち解錠して正面から脱獄する・・・
盲点です。
誰もがまさか、と思う。

ティム・ジェンキン(ダニエル・ラドクリフ)ともう一人の仲間スティーブン・リー(ダニエル・ウェバー)が、1978年南アフリカでのアパルトヘイト反対運動で収監された。
ティムは刑期12年。
スティーブンは8年だった。
最初に2人が収監されたシーン。
その堅牢な刑務所の扉の多さに正直・・・ここからの脱獄は無理だろう!!
扉が多すぎる。確かに10回位、看守は施錠を鍵で開けました。

普通、ここからの脱獄は無理だろう、
脱獄を試みる馬鹿は居ないだろう!!

こところが、ところが、
この映画は、またまた変人ダニエル・ラドクリフの映画です。
普通の映画でもキワモノ色が付くラドクリフ(笑、ほめてます!!)
貧弱な身体、ド近眼のギョロ目。粘着質な雰囲気。
『スイス・アーミー・マン』の死体。
『ジャングル ギンズバーグの19日間の奇跡』
『フライト・リミット』
『ボーンズ 容疑者と告白の角』
メジャー映画に飽きたとき、これらの映画は不思議に魅力的なので、
満足感がある。
「ラドクリフ、また変な映画で、頑張ってるな!!」と、嬉しくなる。
13歳でスターになって22年。
ラドクリフはB級ヘンテコな小品映画で、しぶとく役者の道を走る。

この映画、派手な見せ場も無い。
スリルも大した事はないけれど、緊張感はかなり!
閉塞感(刑務所ですからね)行き詰まるスリルも、ちょっとだけあった!
パニック障害と戦うラドクリフの存在感が、メチャメチャ、ズシーンと来る!!

ひたすら鍵を作り、試作鍵を試して鍵を開けては、次の鍵の型を取る・・・
自室房に戻って、また次の鍵を作る・・・
その繰り返しです。

地味な映画なのに、緊張感が持続する。
けっこう面白い。
なんといっても実話がベースなのが驚きです。

琥珀糖