「スポーツ的な盛り上がりとは別のところに感動が待っていた」シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
スポーツ的な盛り上がりとは別のところに感動が待っていた
知的障害者のバスケットボールチーム、おじさんのシンクロチーム、男性のリーグに女性だけで出場したサッカーチーム…。最初はまとまらなかったり、周りからバカにされたりしていたチームが、徐々にまとまって試合に勝利するようになる映画ってたまに見かけるのだが、根強い人気があるのかな。しかもフランスに多い(記憶違いだったが、知的障害者のバスケはスペイン映画)。フランスって国は基本的に寛容だからなのかもしれない(それでも排他する側面があるからドラマになるんだろうけど)。
そこで本作について。そもそもの違和感は、競泳の選手が水球チームをコーチしに行くってこと。陸上短距離の選手がサッカーチームのコーチに行くようなものじゃないか。だからコーチするシーンが薄っぺらで精神論に溢れていた。いや、基本的にコメディって考えればそれでもいいのかもしれないけど。そして、せっかく参加した大会で、夜ハメを外しすぎて次の日の試合に影響するってどうなのよ。そりゃコーチも怒るわな。
それでも、予告編の印象のようにゲイ嫌いの選手が嫌々コーチしに行くってことではなく、暴言が性的マイノリティへの配慮に欠けていると判断された感じ。ゲイである水球チームへの嫌悪感はなかった。「なんでお前たちはチン○○を出したがるんだ!?」ってセリフには笑ってしまった。あと、ライアン・ゴズリング。やっぱり人気あるんだね。
ただし、スポーツ映画としてはダメ。大会の結果とか全然わからないままだし。そもそも勝利をそこまで重視していたとも思えないから仕方ない。むしろ彼らは最後のショータイムこそが一番の大舞台だったってことなんだろう。全員が好意的だったわけではなく、不謹慎だ!って感じで退席していった人たちがいたのも妙にリアル。
いろいろ文句もあるのだが、終わってみたらそんなに嫌じゃない。ちょっと感動してしまった自分がいるくらいだ。映画って、どこで琴線に触れるかわからない。
ちなみに冒頭であげた、似たような映画はあまり観てこなかった。なんとなく話の展開がわかるから。でも、意外と自分にはハマるのかもしれないと思った。