「意外な収穫、リアルな生活感が再現された美術が良かった。」グンダーマン 優しき裏切り者の歌 kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
意外な収穫、リアルな生活感が再現された美術が良かった。
共産主義という枠組みの中での承認欲求からのシュタージ活動、人が作った家庭を丸ごと横取りしたような愛の巣、同じバンドなのに心が通ってないメンバー。この人は終生他人の靴を履いていたのかな。共感を持てても、どこか徒労を感じさせる人間関係。そんな蓄積が寿命を縮めてしまったのかと邪推してした。でも詞とメロディが残ってよかった。監督が「道化師」を描いたと語っていたのに合点した。
興味深かったのは、70年代の東ドイツの一般家庭の設え。決して広くない居室は本・レコード・書類であふれていたけど、バウハウスの流れを感じさせるような(主観です)シンプルで飽きの来なそうな調度品のミッドセンチュリーっぽさはかっこよかった。灰皿見たいな果物入れ、ポーリッシュポタリー風のコーヒーカップと砂糖つぼもかわいかった。洗濯機は殺菌機能のある高温洗い、にもびっくり。
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