「【憲法改正】」グンダーマン 優しき裏切り者の歌 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【憲法改正】
果たしてこれは東ドイツなど昔の共産圏だけの話なのだろうか。
メルケル首相が、東ドイツでの自身の経験を踏まえて、コロナによる国民への行動規制を、本来はあり得ないことと強いメッセージを発信したり、フェイスブックやTwitterなどSNSによるトランプのアカウント凍結を表現の自由の観点から問題があるのだと発言したことを思い出した。
確かに、旧東ドイツやソ連などと似て、中国はテクノロジーの発達や利便性まで利用して、より強い監視型社会になっているように思う。
だが、僕達の一応自由主義社会でも、SNSが利用者によるインターネットへのアクセスを通じて嗜好を分析し、ターゲット広告を当てて来てくることは、経済学者ショシャナ・ズボフが警鐘を鳴らす「監視資本主義」を想起させるし、デジタルは便利だけれども、或る意味、覗かれる必要のないものまで見られているようで暗澹たる気持ちにもなる。
そして、もう一つ、視点を変えたら、多くの人が働く企業でも、似たようなことは日々行われているのではないのか。
もともと、グンダーマンは、労働者の就労環境をより良くしようと提言していたのだ。
しかし、その要求が強くなると、当局から疎まれる存在となる。
ただ、こうした善意を飴と鞭を使い分けるようにして取り込んで、拒否を出来ないようにして、当局はグンダーマンを利用したのだ。
〇〇は、西側に亡命しようとしているが、彼の能力は東ドイツには必要だとか…。
僕達の企業のケースとして、Aさんは転職しようとしているが、彼の能力はわが社にとっては必要だというエピソードに置き換えたらどうだろうか。
後者では、給与の引き揚げとかプロモーションとかあるかもしれないが、前者では強い監視や身内を利用した脅迫などがあって、結果は異なるだろう。そして、それは、致命的だ。
こんなケースじゃなくても、資本主義社会では、上司の意向を忖度して、他の人の足を引っ張ったり、或いは、自分自身の競争のために他人の成果の一部を自分のものに見せかけたりするやつはいっぱいいる気がする。
グンダーマンを演じたシェアーの歌は素晴らしい。
グンダーマンの歌声も素晴らしかったのだと思う。
ボブ・ディランと共演したことがあるとしたら、尚更、興味が湧いてくる。
素朴で率直な歌は、どこかノスタルジーを誘う。
きっと、人の本来の心は昔から変わらず、こうした歌は多くの人の心にに響くのだと信じたくなる。
しかし、社会思想が変化して、テクノロジーが発達しても、人の良心や善意に付け込む組織や人間は必ずいて、監視したり搾取したりしているのだとしたら、それも昔から変わっていないのだ。
日本では、コロナ禍を受け、国民の行動抑制をより強固に行えるようにと、憲法改正に賛同する人が増えたらしい。
日本は、治安維持法への反省から、私権を制限することは極力避けてきたという歴史がある。
これは美徳だ。
マスクを外して映画を観て、くしゃみをしているおばさんに遭遇して、スタッフに注意してもらったことはあるが、実は後味が悪かった。
こんなごく少数のモラリティの欠如した輩のために、国民全体の私権を制限する可能性があるような憲法改正に賛同するべきだろうか。
是非、メルケル首相の言葉を思い出して欲しい。
そして、考えて欲しい。
日本にも世界にもグンダーマンのような悲劇は、二度といらないのだ。
今晩は
”褐炭を石炭として使うと温暖化物質出すわりに、エネルギーとしては弱くて、でも、水素を作るのに今大注目って知ってました?”
いやあ、知りませんでしたよ。
今、水素って足りないのですか?
私の業界では、”半導体”不足が大問題です・・。ハア・・。
コメントありがとうございます!そうですね、歌はフォークソング。コニーの娘(前の夫の間の子ですよね?)リンダのことも歌っていたし、あったかい歌だなと思いました。