ストックホルム・ケースのレビュー・感想・評価
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軽い感じで観られるコメディ映画
「普通に考えるとありえないが実話を元にした話し」と冒頭に差し込まれるが、まさしくその通りな「ストックホルム症候群」という言葉の語源になった事件を題材にした映画。
ただし、あらすじにあるような真面目風な「クライムドラマ」という感じではまったく無く、陽気で抜けてて行き当たりばったりな所謂「ダメなイーサン・ホーク」と、それを取り巻く犯人と人質・警察と政府のやりとりを楽しむ気楽なコメディでした。
とにかくそのダメなイーサン・ホークを楽しめれば勝ちといったような感じかな。
面白かったけど、心理学をテーマにしてるわりに心理描写はあんまり上手くなかったりとか、犯人隙だらけなのに警察は無能過ぎるだろとか、金庫にビアンカ残ってる状態で生きてるか確かめる為にガス入れてみるのクズ過ぎるだろとか、あんなに大騒ぎしたけど意外と刑は軽いんだなとか、ビアンカ何しに来たんだとか、なんか色々気になるところはあったかな。面白かったけど。
どうせ事実は「元にしてるだけ」であるなら最後はそのまま車で逃げてひゃっほうエンドが良かったな。
いっそのこと。笑
まぁ細かいことは考えずにただコメディとして楽しむのがこの映画の楽しみ方なんだろう。
映画は映画なので、ご都合主義だったり辻褄合わなかったり突拍子もない展開も受け入れちゃうタイプなんだけど、この映画は何故か気になっちゃった。
期待してたからかな?惜しかったからかも。
それにしてもイーサン・ホークのダメ男演技は本当に良い。
6月公開の「15年後のラブソング」でもまた違ったタイプのダメな男を演じていたけど、やっぱりどうしても憎めない「一緒に飲むとめっちゃ楽しいだろうな」って感じが見えてきて大好きなんだよなぁ。
酒でも飲みながら家で適当に観るのが1番良い映画かも。
そんな感じでした。
100本目
コメディだよね、これ
エンタメ方向に振ったためなのか、人質の人妻と、子持ちの犯人による不倫の話になっちゃってて、観てる途中で椅子から滑り落ちました。
イーサン・ホークのマッチョバカっぷりを見るコメディとしてならわりと面白く感じられますけど、ドキュメンタリー性を求める人にはおすすめしません。
狼たちの午後 を思い出す
イーサン・ホーク、ノオミ・ラパス、マーク・ストロング、大好きな俳優が三人出演してるので初日に見てました。
出だしは名作「狼たちの午後」風で派手で面白い展開で始まります。
実際に1973年のストックホルムで起こった銀行立てこもり事件が基となっている点も「狼たちの午後」と同じなので興味深かったです。
“ストックホルム症候群”の語源になった事件らしく犯人と人質の妙な連帯感が面白く最後まで飽きないで見れました。
ラストは「狼たち・・・」に比べると衝撃度は低いですが良い落としどころというところ。
名優達の演技をじっくり見たい方にお勧めします。ボブ・ディランの歌も良かったです。
ストックホルム症候群
まぢか?あほか!なんじゃこりゃ?!そんなわけあるか!と思ったが…こういった実話をコメディ調に仕上げ、別の意味で期待以上に楽しめました。
単純に犯人/人質チームに感情移入してしまうので、逃げ切ってほしいな...
単純に犯人/人質チームに感情移入してしまうので、逃げ切ってほしいなと思った。しかし、この映画にどうしてラブシーン入れるかね?そこは興醒めする。
良作だけに描写不足が残念。でもみる価値はあり。
今年48本目(観た日と書いた日は違います。数日前)。
さて、こちら。鬼滅の刃等で放映されている映画館は少ないのですが、隠れた名作かと思います。
「ストックホルム症候群」といえばご存知の方も多く、それをベースにした「実話ベース」としながら多少の脚色は加えているようです。
※ 実話ベースの場合、最後に「主人公はこういう人生を歩んだ」というように実際の写真などが出ることが多いので(カセットテープ・ダイアリーのように)。ただ、「実話ベース」であるのは確かなので、あることないこと付け加えてはいないのでしょう。
日本ではもっぱらこの名称で呼ばれますが、他の方も指摘されたように日本では誘拐事件では似たような症状が指摘されますし(長期監禁事件や、よど号など)、決して遠くの存在ではない(ただ、毎日のように見る話でもない)お話です。その「名前だけは知っているけど、ストックホルムってそもそもどこだっけ、ヨーロッパのどこかの国の首都か何かだっけ?」程度からは一歩抜け出せますね。
ただ惜しいことに放映時間が92分(公式より抜粋)のため、どうしても心理描写が薄めであり、それは300年も500年も前の実話ベースなら仕方がない(確証がない等)のですが、「わりと最近の」ことであり(とはいえ40年以上前…)、あと20分、せめてあと10分伸ばしてでも加害者どうし、加害者/被害者(特に、この映画ではこの部分は重要)、加害者と警察(や政府)などとの心理の描写に注力して欲しかったな、とは思います。
とはいえ余計な「意味の分からない謎の描写」や「あってもなくてもいいどうでもいい趣味的な部分」がない点、良い映画だなと思いました。そして鬼滅の刃祭りなこの最近(いったいいつまでやるんでしょう…)、こうした「隠れた名作」をチョイスしてくださったシネリ○ブルさん(別に隠す必要ない…)には感謝です。
および、刑務所に関する描写が少しだけ出ますが(ストーリーの展開上、どうしても最後に犯人は逮捕され投獄されるため)、日本のそれ(いわゆる、社会復帰センターと呼ばれるタイプを除く)と違って、刑務所といえども被害者の人権を守るとともに、加害者(=受刑者)の人権も厚く保護している(日本もだいぶ進歩していますが、国によっては支離滅裂なところや過重収容が異様な国もある)ところも、日本との違い(日本も良くなっているとは言われますが)との違いには目を張りました。
※ 以上のことは、だからといって「日本の刑務所は快適になったのだから加害者が手厚すぎるほどだ」ととか、「加害者の人権が手厚すぎる」いう議論では「ありません」。
減点要素は下記の0.3で4.5(七捨八入による)としました。
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0.3 どうしても、上記のように92分とやや短いところがあるため、淡々と事件の流れが追いかけられるだけであり(なお、実際の事件では立てこもりは5日だった模様)、「ドキュメンタリー映画」の分類にも入りませんが(事実、実際の動画は一切流れない)、心理描写が薄いため、「実話ベースのお話です」としながらも淡々と見ざるを得ない部分はどうしてもあります。
もちろん150分だの180分だのになると観客も疲れますが(しかもこのコロナご時勢…)、あと20分、いや、あと10分長くとって、描写を厚くしても良かったのではないか…と思える点です(かつ、こうした映画はどうしても「元が取りにくい」以上、あまり他の会社が追いかけて同じ題材で映画化することは少ないので、今回の良い機会でこうなってしまった以上、数年は同じ題材が取り上げられることはなさそう)。
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イーサン・ホークのオスカーはまだか?
「狼たちの午後」の元ネタでもある事件。とても興味深く、人の微妙な心理をとても上手く扱っている。現実は小説よりも奇なりを見事に表している。イーサン・ホーク、ノオミ・ラパスの演技がやはり際立っている。この二人がオスカーを取る日は近い。
イーサン・ホークを観て、ストックホルム症候群になってみませんか? いい酔い心地でしたよ。
1973年にストックホルムで実際に起きた銀行強盗事件をモチーフにした映画。この映画、ノオミ・ラパスのほうが先にキャストが決まったのか?イーサン・ホークの方が先にキャストが決まったのか?すごく気になってしまいました。どちらにしても、文句のつけようはないのですが。どちらのファンでも楽しめたと思います。
ビアンカ(ノオミ・ラパス)は旦那もいるし、小さい子供がふたりいる。なのになぜラースに惹かれてゆくのかが見所。イーサン・ホークはヨーロッパのすてきな女優さんとからむ設定が多い。羨ましいなぁ。大人の恋愛映画。大人限定。ありきたりの家族愛や貞操感念で駄目出しする野暮な人はまったくお話しになりません。嫁が人質になっている間に家でウイスキーだかブランデー飲んで、うたた寝している旦那はダメですけど。魚焼くのも回避するし。
ボブディランの曲が場面のサブタイトルのように、シーンに合わせて使われるのがとてもおしゃれ。
ボブディランの曲からビアンカが同郷だと思い込んでしまうのも憎い設定。
死体になぜラジオ?と気づいたのに、毒ガス入れて確かめようとする警察署長。アホなのか賢いのかわからないけど、まずまずの見せ場でした。
警察署長、スウエーデン首相、銀行の支店長が最初から緩いのがちょっとマイナスかなぁ。もうちょい、緊迫感が欲しかったけど。1973年ってこんな感じ?イーサンに合わせているの?
銀行強盗するなら、奥の貸金庫部屋には入っちゃダメなのはよくわかりました。
イーサン・ホークを観て、ストックホルム症候群になってみませんか? いい酔い心地でしたよ。
いい題材なんだがもう少し
銀行強盗に人質に囚われた3人が次第に犯人に共感してしまうというストックホルム症候群をベースにした映画らしい。
最初は命の危険を感じつつ恐怖に怯える人質となったビアンカだが、徐々に感情に変化が起きてくる。
【以下、ネタバレ注意】
脱走する為、彼女に死んだことにしてくれ、と懇願し逃げる彼女の背後から射撃すること犯人。
しかし、彼女は防弾チョッキをあらかじめ打ち合わせして装着していた。
そこから、犯人は人質達に殺意の無いことを知り
次第に犯人寄りになっていくのだが……。
警察との攻防戦で死んだ筈の彼女が生きていることがバレて……。
しかし、途中いきなりのキスには驚くわ。もう少し丁寧に描かないと。旦那もいるわけだし。
面白いし、いい題材なんだがもう少し盛り上げてほしかったわ。
バカでいい奴
無計画過ぎてめちゃくちゃな犯人の行動に、まったく上手く行く気がしない。
そんなだから、あれこの人たち何がしたかったんだっけ?って思ってしまう程に間抜けな雰囲気だった。
盛り上がってるのは当事者だけで置いてけぼり感に駆られた。
仮初めのラブストーリーと思って見ればしっくりくるかも。
イーサンホーク、大好き。わけわからん乱暴者かと思いきや、途中どんどんセクシーになってクライマックスを迎えるのです。あー、壁ドンみたいなシーンも良かった。
ともあれ、ストックホルムシンドロームは、長期間にわたる人質~犯人関係の持続の結果必ず湧き上がるエモーションなわけではなく、(神として頼りにしていたはずの)当局の対応が犯人の要求以上に不条理で許せなかった場合、というのが必要条件なのではないかと認識を新たにしました。
私は前半早々泣きました。人質になって死を意識した時、現場を訪れた夫に子どもに作る今夜の献立のこしらえ方の説明をする。今後のためにも、、、。こんなに具体的で愛情あふれる遺言はないのでは、と。それがドライでユーモラスに描かれているので、笑う場面と捉えるだけの人もいるのかな。だから映画って面白い。十人十色の受け取り方。
それにしても時は1973年。ボブ・ディランの曲がフィーチャーされていたのは知らず、ボーナスでした。
まあまあ全編ユーモラスなオブラートの掛かったところが風刺的。スエーデン人全員英語しゃべってるわけですし。(それを言ってはいけないか)
カイ・ハンセンなら知ってます。
1973年8月にストックホルムで発生し「ストックホルム症候群」の語源となった人質立て込もり事件の話。
事件の詳細は知らなかったけど、「ストックホルム症候群」が何ぞやというのはあったからか、大筋の展開は読めてしまうので、ハラハラするとろははあまりなく、犯人や人質の心情をみるドラマという感じだし、意外性はあまりない。
しかしながら、そこに陥って行く人質の様子や、仕向けた訳でもないのにそうなっていった犯人の言動に妙に説得力を感じるし、変遷が判りやすくて面白い。
見所というものはないものの、最初から最後まで少しずつ、そしてゆっくり積み重ねていく人間味はリアルに感じるし。
どこまでリアルか知らないけれど、警察や首相が反発を受けるのもなるほどと思わせてくれるし、説得力を感じる心理に繫がる人情の「妙」な部分の面白さがあった。
ストックホルム症候群に興味がある人向けのお勉強作品という感じかな。
アル・パチーノの勝ち
どうしても「狼たちの午後」と比べてしまう。どちらも実話がモデルなんだけどやはり「狼」のほうが良くできてます、事件はたぶん「狼」のほうが少し早いけど「ブルックリン症候群」て言葉生まれてないな。やはり人質が素直に従っただけと、協力したのとの違いか?
しかしまあ首相も警察も呆れるほどおバカに描かれてますね。尚、ストックホルム症候群という言葉知ったの「ダイハード」なんです。
ナオミラパス
龍が良すぎてなんだけど、この人上手いんですね。
イーサン・ホークってものにもよるけどこれは上手いかも。マーリンも良いですね。ただ何と言ってもクソ野郎扱いの署長さんが上手い。彼のおかげでメリハリのある良いテンポになってます。
【"人質の女が出血している!〇〇〇〇をくれ!"と切羽詰まった表情で犯人は言った・・。予想を大きく裏切られた口あんぐりムービー。(誉めています・・) イーサン・ホークはどんな役を演じても魅力的である。】
-フライヤーを何度か見て、
"緊迫感溢れる映画だろう、ストックホルム症候群を絶妙に絡ませて・・"-
と、期待しながら映画館へ・・。
■序盤から、会場内で起こる”クスクス笑い”の数々・・
・人質になった銀行員ビアンカ(ノオミ・ラパス)が、銃口を向けられながら、夫に対して子供達の夕食の作り方を詳細に説明するシーン
"小骨は取って・・、焦がさないで・・"
- 人はパニックになると、あんな風になるのかな? あー、可笑しい・・。-
・おバカだが、変に正義感ある犯人ラース(イーサン・ホーク:流石の怪演である・・)に負けず劣らず、おバカな警察の面々の言動、行動。
- 完全に犯人をバカにした対応ではあるが、犯人と人質たちは想像以上におバカだった・・。-
・金庫室に閉じ込められた犯人と人質達のおバカな遣り取りの数々。
- ガスを入れられないように、人質の首にゆるーく縄を掛けたり、ビアンカに"死んだ振り"をさせたり・・。
仲介役、グンナーを演じるマーク・ストロングも、心なしか楽しそうである。-
<ストックホルム症候群の解釈は"??"だし、サスペンス要素が相当希薄な、銀行強盗コミカルムービー。
いやあ、笑わせて頂きました・・。
寛容だなあ、私・・(だって、面白かったのである・・。すいません・・)>
<2020年11月7日 愛知県名古屋市、伏見ミリオン座のスクリーン1で鑑賞。
定席、ど真ん中のやや前にて鑑賞。
隣のおじさんが、随所で、大笑いしていた・・。
不謹慎だなあ・・。あ、私もだった・・。>
【ストックホルム症候群】
ストックホルム症候群は、きっと、上手く犯罪をコントロールできなかったり、犯人の説得に失敗したり、本当は捕まえなくてはならなかった側と、犯罪に何かロマンティックなものを感じる側の、実は幻想であるように思う。
実際にあった事件をモチーフにした、この映画でもそうだが、拉致監禁された人が、警察の対応に対して、自分たちを助けるという意思が感じられなくなったことかが起点で、大きな転換を迎えたような気がする。
それに、実際、このストックホルム症候群の研究は非常に少なく、過去の統計でも、こうなるケースは稀だったという報告もあるらしい。
日本に関係する事件で言えば、よど号ハイジャック事件で、犯人に同情的な人がいたのは、良く知られたことで、ストックホルム症候群と言われることもあるらしいが、実は、航空機内の密室だったからというより、思想的背景が似通っていたからという方が通りは良いはずだ。
一般人の中にも、ハイジャック犯と思想的に似通った人間がいることは、権力サイドとしては、きっと受け入れ難いことなのだ。
何やら、学術会議の任命問題を思い出す。
それに、最近は、上っ面の行動パターンをして、人を分類してみる傾向が高いような気がする。
そして、敵味方、中立など分類して、自分は頭が良さげに見えるかなって悦にいってる連中だ。
元大阪府知事・大阪市長などはその典型だろう。
常に敵を探して、敵と定義し、攻撃する。
人種主義の連中もそうだ。
こうした連中に限って、権力に逆風が吹くと、痛く同情的な発言をしたりする。
警察権力もそうだが、自分達の失敗や非を認められなくて、都合の悪いことに蓋したい連中が、自由に勝手にカテゴリーしてる可能性も高いのではないか。
実は、ストックホルム症候群を研究するより、こうした連中の行動心理を研究する方が、よほどサンプル数も多いし、世の中への貢献は高いように思う。
その方が、平和貢献にきっと役立つ。
この作品は、ストックホルム症候群そのものと、これに群がる知ったかぶり屋を、皮肉ってるように思うのだ。
おもしろかった!
決して悪人ではない犯人の人質になったら、その非日常感から元の生活に戻ったときの違和感あるでしょうね。空虚というほどでもないし、そもそも元の生活も幸せなんだしという、微妙な感覚をすごく絶妙に漂わせてて好きですこの雰囲気。ノオミラパスの美人過ぎないけど芯の強そうな感じがハマってました。この人好きだなー。
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