劇場公開日 2020年3月20日

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「_φ(・_・思想の侍達 言葉の剣」三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 おにっち弐号さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0_φ(・_・思想の侍達 言葉の剣

2020年7月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

早く見れば良かった、、、、。大変勉強になった。
三島と東大きっての論客 芥 正彦の対決が見ものなのだろうが、思想が違えど彼らが戦っていた相手は同じ、腐敗し堕落した日本。面白いことに全共闘の基本的考えは表面上は革命であるのでしょうが本当は反米愛国で三島と大差はなく、そこに行くアプローチが違うだけなのでありましょう。天皇制においても解釈の妥協点は十分にあったように見えます。
あの当時の学生が本当に革命だったのかと疑問に思っていましたが根底に愛国があり安心しました。
革命ってフランス革命やロシア革命を思い出しますが根底には貧困と弾圧があったのでしょう。そうでなければ命がけで革命なんてできません。あの時の学生運動の時代背景はどうであったのでしょう。おそらく高度成長下で餓死することもなく警察に捕まっても命までは囚われないのでしょう。そんな中で革命なんてできっこないし、彼らも本気でそれができるとは思ってなかったのではないだろうか?中国で思想的弾圧が横行しているが革命が起こらないのは市民が餓死することなく食べられているからでしょう。近代日本では革命の要素は揃わないので日本では革命は起きないのだと思います。
学生運動の思想はその後日本では廃れ、拡散した。学生達のふるった剣はうまい具合に納められたが、三島がふるった剣の納まるところが見つからず彼は自決することになる。
芥 正彦は後述でこの自決を演じるという言葉を使ったかと思う。切腹というセンセーショナルな方法で日本の変革、憲法改正を迫った。印象的な方法をとって日本人から忘れられない方法を取った。直感的に思ったのがキリストと同じ方法だと、、、、。
三島は伝説になった、、、、、。その思想も消えることがないでしょう。
あの自決が三島の最後の一手で、ある意味この国への絶望であったのだろうか?
それともまさに計画通り、、、最後の決め手、、、、キリストと同じ思想の定着のための珠玉の一手だったのだろうか?
私は後者なのだろうと思います。

おにっち弐号