劇場公開日 2020年3月20日

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「死にたがりの軍国少年と口の達者な飽き性の坊やたちのおしゃべり」三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 J Bさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0死にたがりの軍国少年と口の達者な飽き性の坊やたちのおしゃべり

2020年3月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ちょうど三島を読み始めた頃、三島が死んだ。
その後もかなり三島作品は読んだのだが、彼の行動は理解できなかった。

あのころ安田講堂の事件があり、あの闘争の意味すら分からなかった。

それから三島と学生運動について考え続けたが結局自分のなかではもやもやしたまま時は過ぎた。

もちろんこの三島vs全共闘の話もしっている。

今回この映画を見て霧が晴れたことがある。

結局三島も全共闘も途中で投げ出したということ。
今の自分が観た彼らの言葉の空虚さよ。

今言えることは一つだけ。
彼らは投げ出すべきじゃなかった。

三島は盾の会を作りながら、自らの死で活動を終わらせてしまった。
彼は戦中の亡霊に取り付けれて死んだように見える。
自らが死ぬために楯の会をつくったとさえ思える。

三島は生きて自らの寿命が途絶えるまで活動すべきだった。
三島死後の楯の会は三島を供養する会でしかなかったのではないか。

全共闘の諸氏は結局言葉遊びの中で瓦解してしまったように見える。
あそこに集まった千人の革命戦士はほとんどが一小市民に成り下がった。

彼らは自らの失敗を超えて一生活動すべきだった。
その精神を後輩に伝えていけば、こんな時代にはならなかったと
思う。今の学生の気力の無さはどうだ。
こんな時代にしたのは彼らである。
そして今の彼らは自己反省もなにもできない単なる頑固ジジイでしかない。

これは映画として評価すべきではない。
故に1とする。0では無評価となるので。
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J B