「言葉は・・通じない」三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 critique_0102さんの映画レビュー(感想・評価)
言葉は・・通じない
新型コロナ型が世間を騒がせているこの時期に、映画館にあつまるのだろうかという心配をよそに多くの客がいた。見るからに客の平均年齢は高く、50代半ばの自分でさえ、全体から言えば下の方ではなかったか。多くが「その」世代、あるいは彼らから感銘を受けた、受けようとした年代なのであろう。
既に『討論 三島由紀夫vs.東大全共闘―美と共同体と東大闘争』を読んではいたが、そしてドキュメンタリーで少しは知ってはいたものの、「この」世代に対する言うに言われぬ感情もあって、どこかほおっておいた気もする。
当時としては熱い語りであっただろう。それは彼らにしてみれば自分が生きる時代の言葉そのものであっただろう。しかし今見てみると、お互いがその言霊主義に酔いしれている様にもうつる。所詮は言葉を手に入れた、入れていると思っている擬似(似非)エリートによる自慰ではなかったのか。若者の言葉というものは、どこか浮ついていて、観念論を否定する言葉も観念的である。従来の知性を打破しようと反知性主義を装ってみても、どこかそれは民衆には届かない。
彼らが人々にとって唾棄されるべき机上左派であったがゆえその力は衰えたのだろうか。
ならばまた、人々を蔑ろにする排外主義的な右派ならば、これもまた同様にいずれ滅びるはずだ。
この様な言葉による知的遊戯を戦後民主主義の出発とするというのは果たして正しいのだろうか。
それを熱情などという幼稚な言葉で語って本当に良いのか。
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でもな、
映画の最後、エンドロールが始まった途端、席を立つ人の多いこと。
俺の前を遮るな!
やっぱこの世代って唯我独尊の自己中なん?
自己中心的連帯エクスタシー主義者なん?
ま、三島が語った様に他在が物象化すればするほどエロいんやけどね・・・。
お、共闘できるやん。。笑
で、ナレーションの東出が、お互いに真摯に言葉をぶつけ合うって・・・言うなや!
なんかこのドキュメンタリー、コミカルにも見えてきた・・・。上映された時期が悪かったのか。