劇場公開日 2020年3月20日

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「没後半世紀」三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 藤崎修次さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0没後半世紀

2020年3月22日
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そう考えると、三島由紀夫は既に歴史上の人物なのだな、と思ってしまう。

当時の学生運動のことはニュース映像などで見聞きした程度だが、これを観て、その熱量は充分伝わってきた。
主義主張の違う者同士が論戦を交わす場を設けたうえに、何より互いの言っていることにもきちんと耳を傾けていることが、とかく排他的な現代の風潮からすれば、すごく健全に映る。

当時既に文壇一のスターであった三島からすれば、学生側の売名に利用されるだけかも知れないこの場にのこのこと出向く必要もなかっただろうし、全共闘側も三島にやり込められてたじたじになって全体の士気が低下するリスクもあったろう。
ややもすれば、それぞれが互いの主張を展開するだけの合同演説会になっていたのかも知れない。
そう考えると、オファーした学生側も受けた三島も大英断だったのだと思うし、一応は討論会の体を成しているのは互いをリスペクトする気持ちが少なからずあったからだろう。

かと言って、この討論会に参加していた者に思想信条に変化があったわけではないだろうし、時代を越えて今現在スクリーンを通して観ている観客に大きく影響を与えるわけでもない。もちろん、この映画の制作者側も、そんなことは企図していないだろう。
ただ、この熱気が感じられれば、それで良いのだと思う。

ただ、一つだけケチをつけるとすれば、ナビゲーターの東出昌大は全然ダメ。0点。進行の邪魔。
声質がナレーション向きでない。この手のドキュメンタリーなら、専門のナレーターに任せた方が良かったのに。
下衆の勘繰りになるが、TBSは起用を決めた時点で東出の不倫を知っていて、早晩騒動になることを見越して、映画のいい宣伝になると思っていたのでは?

藤崎修次
talismanさんのコメント
2020年6月21日

確かにありかも!

talisman
カールⅢ世さんのコメント
2020年4月1日

そこまで勘ぐるとは!

カールⅢ世