「三島由紀夫の優しさ」三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 Nozさんの映画レビュー(感想・評価)
三島由紀夫の優しさ
クリックして本文を読む
三島由紀夫と東大の学生。
一人の小説家と日本最高学府の学生たちの対決という題。
圧倒的な三島由紀夫のカリスマ性には、対決という中身にはならなかった。子ども相談で回答する大人のように見えたのは言い過ぎか。自然観念めいた複雑そうなことを、学生が三島由紀夫に問いかけるが、それはこの場で行う議論ではないと思っていたら、別の学生からヤジが飛んだ。この会は三島をぶん殴る会なのではないのかと。血気盛んな展開になると、思いきやそれ以上は過激にはならない。いや、三島のオーラでいなされてしまったようだ。三島由紀夫の優しさを感じた。作品の中の瀬戸内寂聴の言葉でもある。
三島由紀夫にとっては、母校での凱旋公演会であったかもしれない。終わった後の感想が、「ゆかいな体験をした」と。
コメントする