「フットワークの軽い怨念」ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
フットワークの軽い怨念
「足を踏み入れたら、最後」・・・・・・・・・
それだけ強い怨念が渦巻いているという事自体が怖すぎる。オリジナル版もそうだが、何の罪もない人をやたらと死に追いやるのはいかがなものか。そんな事を考えていると、ハリウッド製「呪怨」シリーズももう4作目になっているではないか。だがどうやら第4弾という形ではなく、再構成した新たな物語との事だ。冒頭で日本から伽椰子がインパクト大の挨拶をしてくれるが、コロナ禍だからか伽椰子は家にとどまり、怨念のみがアメリカにやって来る。そこでまた怨念が家に棲みつき、その家に関わった人間を片っ端から呪い殺すというストーリー。本作で家に関わった人々は少なくとも4家族。加えて刑事らも被害に遭っており、良い結果になった事は無い。主人公が刑事であり、捜査をする過程でそれぞれの家庭のあれこれが描かれるという構成であり、そこはオリジナル版のオムニバス形式となっていた部分を大いに意識しているだろう。変なところで勝負はかけず、ド直球の恐怖を味わえという制作陣の意図もとれるが、連続の恐怖シーンで上手くビビらせてくれる。しっかりと「怖い」ためホラー好きにはオススメしたい。だが、比較的ゲテモノ系を好むサム・ライミが制作を務めたという事で、スプラッタに近いシーンが意外と多く、慣れ親しんだ「呪怨」をイメージすると方向性の違いに気がつくはずである。だがハリウッド解釈のホラーの中であれば、完成度の高いホラーだと思う。
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