「慣習」82年生まれ、キム・ジヨン U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
慣習
なかなかに問題作。
韓国だけの話でもないようには思うけど、独自のお国柄ってのは多少はあるだろう。主人公の立場を案外ドライに描いてた印象を受ける。
だからこそ、この作品をキッカケに議論の1つも巻き起こればいいなとは思う。
思うが…。
なかなか改善は難しいのだろう。
前時代から引き継がれる慣習とそれに隷属する価値観は根強く、社会環境もそれに適応しきれてはいない。作中で語られる事実はどれも現状を表してるかのようにも思える。実際の給料事情もその通りなんだと思う。
自立を促しながらも、育児というのっぴきならない義務を担わなくてはならず、それ自体は人類規模の話だ。そう思うとある種の矛盾を今は抱えてるように思う。
変革期だからこそ生まれる軋轢や歪みに、飲み込まれないようにバランスをとってかなきゃとは思う。
実際、今の慣習に容易に染まれる人もいる。
この作品がとある一例であるのは言うまでもない。
まぁ、価値観を変えていこうと言うのだから、並大抵な作業ではないし、短時間でどおなる事でもない。
こおいう立場の人もいる。
それを知る為の作品なのだろう。
「ママ虫」ってのは衝撃的な単語だった。
あんな風に言われなきゃいけない理由なんて1つもないし、誰しもが通ってきた道だ。
荒んだ現代を象徴しているようで、憤りを通り越してひたすらに悲しい。
今の価値観だと出産はリスクのように感じる。
そう感じてしまうのが1番の問題なのだろう。
誰もリスクを取りたくはない。だけどそれを排除する生き方は国家的なリスクとなっていく。
女性は出産を「人生が変わる」と捉え、男性は「生活が変わる」と捉えていた。
その通りだと思うのだけど、改めて聞くとゾッとする。
生物学的に男性は出産できないし、出産は女性だけの特権でもある。公平ではない機能を有する異なる生物を公平に扱おうというのだから、それはそれで無理ゲーのような気もするんだが、難解なこの命題に科学と文化で立ち向かってほしい。
子孫繁栄は生物の大前提で…母という存在は、それだけで神々しくもあるんだが、いつの間にこんなにも格差がついてしまったのだろうか?
複合的な問題はありはするんだが、先ずは感謝を怠らないようにと肝に銘じよう。
U-3153さん
みかずきです
出産についての見解、私も同意見です。
真の男女同権を目指すのはいいですが、男女は同質ではないことを踏まえないと破綻すると思います。
今の日本は完全に男社会です。
その男社会の中に、形だけ、人数比率だけ辻褄合わせで女性を参加させても長続きはしないと思います。
男女は異質であることを踏まえるべきですが、どうすれば良いのかは、
かなり難しい問題です。
小さなことから一つ一つ改善していくしかないと思います。
男女は同質ではなく異質であることを踏まえて。
では、また共感作で。
-以上-