コリーニ事件のレビュー・感想・評価
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現代にも尾を引くドイツの汚点
ナチス政権の蛮行は現代にもなお尾を引いているんだなと思いました。
過去の汚点を清算しきれないのはもどかしいですが、
あの時代を想像すると清算しきるのも容易ではないことは明らか。
でもそれを正していかないことには同じ過ちを繰り返す可能性があるしな、、、と、とても考えさせられる話でした。
この作品を見るまでドレーアー法という法律も知らなかったので、
見終わってから制定までの経緯やその後の戦犯処理について調べ、とても勉強になりました。
戦争犯罪とその報復を取り上げた骨太作品。
罪とは何か
私は作家シーラッハのファンだ。彼の簡潔で抑制の効いた文章、研ぎ澄まされた筆致に痺れる。
フェルディナント・フォン・シーラッハは、ナチ党青少年最高指導者の孫である。本作は、こうした出自を持ち現役の刑事事件弁護士である著者が、祖父の時代の犯罪に真っ向から取り組んだ法廷小説。原作は200ページ弱と決して長くない小説なのに、濃密で衝撃の読了感。
そして映画は映画でまた素晴らしかった。映画らしいアレンジも効いていて面白かったし、主人公が私の頭の中のビジュアルに近くて大満足!
主人公は黙秘する犯人を通して、法の解釈や量刑よりも、問題はまったく別のことだと思い至る。問うべきなのは、虐げられた人のことなのだ。
全ての元凶ドレーアー博士の起草した法律の過ちを認めさせたところでコリーニの復讐は完結。現実では2012年に「ナチの過去再検討委員会」が設置されている。
同時に、祖父は祖父、自分は自分。
ナチス物は飽きたので鑑賞したが…
ドイツ映画といえばナチス絡みが多いので、うんざりしているのも事実だが、これはイタリアからの出稼ぎ労働者と、ドイツに多いトルコ系の軋轢を描く映画かと思って入場。
結果、またもやナチスものでした🥺。
事件のキーガジェットとして「ワルサーP38」が出ています。おかけでWikipediaでP-38を調べました。私の世代だとP-38は「ナポレオンソロ」や「ルパン三世」に出てくる現役兵器ですが、21世紀の今日では古物なのですね。そこを押さえないと本作は理解出来ない。勿論トルコ系弁護士にも「世が世ならアンタはケパブ屋台のあんちゃん」などと辛辣な言葉が浴びせられています。それにしても「裏切者イタリア」への対応はドイツらしいというか、厳しいモノがあります。「1対10」ね。それをホントにやるとは。「事件」が起こったイタリアの田舎町は現在も第二次大戦時も風景にさしたる違いはなく、そこにヨーロッパの積層した歴史を感じました。
正義とは
二次大戦ドイツ、戦争の背景と犠牲について考えさせられる映画。
フィクションですが、なかなかノンフィクション的な雰囲気のある映画。
見ごたえありますし、考えさせられます。
二次大戦のドイツ市民の背景を勉強するには非常に良い映画です。
現実に似たようなことがありそうだな~と。
見た後は、重い、重すぎるため、見たことを忘れていました。
戦争と一言で言っても置かれた立場と状況で全く異なりますよね。
第二次大戦に限らず、私たちが教えられている戦争の事実は本当に真実なのか?
改めて考えました(戦争以外でも真実は見つけにくい)。
戦争というものを考えるのには、とてもいいフィクションの映画だと思います。
ですが、現実にありそうで可哀そうで、見た後は気分が重いです。
戦争や内戦の背景も色々ありますよね。
【ロシアとウクライナ】
東ドイツが西ドイツと統一されたとき、アメリカ(西ドイツもかな?)はソ連と約束をしました。
「これ以上の東方へのNATOの拡大はしない」と。
こうして、ソ連の許可を得て、ドイツは統一されました。
ところが、今は、その約束は守れていません、ロシアは怒りました。
【イスラエルとパレスチナ難民】
第二次大戦のころ、ユダヤ人は西欧人として同化している人たちと、シオニズムを重要視する人たちとに二分化していました。
収容所に運ばれていくユダヤ人とは別に、シオニズム重要視のユダヤ人は船でイスラエルに運ばれていきます。
また、イギリスはユダヤ人(シオニズム系)には、「パレスチナをユダヤ国家とすること」を約束します。その一方ではアラブ人にも「アラブの国家独立」も約束します。
多くのユダヤ人がパレスチナに来て、アラブ人を追い出しました。
こうしてパレスチナ難民が生まれました、アラブの国家は作られていません。
ガサ地区のアラブ人は気の毒です。
本のレビューに「ユダヤ人だって同じことをイスラエルでしている」、と書いてあったのを見たことから、少し調べて事実をしりました。
イスラエルが、何故、国家として認められないのかを初めて知りました(最近は認める国も増えましたね)。
ユダヤ人が侵略し、パレスチナからアラブ人を追い出したことを知りました。そのやり方が酷かったことも。
第二次大戦中のドイツではユダヤ人迫害が行われてもいましたが、
時期同じくして、イスラエル建国のために船で運ばれていたユダヤ人も多くいました。
なんとも、やるせない現実です。
【レビューまとめ】
コリーニは完璧フィクション映画ですが、実によくできたフィクション映画です。
戦争の背景にあったできごとに焦点を当てています。
戦争の後片づけ、いまだ終わっていないことが多いですよね。
日本の憲法は戦後アメリカが作ったという話は、本当なのでしょうか?
日本の戦争も終わっていないな~、とか。
映画見終わった後に、ぼんやりと考えました。
一緒に見た旦那と、無言で映画館を後にしました。
旦那は可哀そうだと何度か言っていました。
見た後の気分は軽くはないので、気持ちが元気なときに勉強のために見るといいかも。
法なんかで裁くからこんなことになるんだ。
こんなテーマは誰にも答えだせるわけないんだから、
答えを出そうとするのをやめよう。
ぐるぐるぐるぐる頭の中で、
真実とは、悪とは、正義とは、戦争とは、憎しみとは・・・
って考えて考えて、
そんで明日から頑張って生きていこう。
「映画」という枠で見ると、
法廷モノってズルいよね。
説明シーンが冗長になりづらいから。
でも、冒頭のホテルでのシーンが白眉。
ちゃんと映像で伝えてる。
ボクシングシーンは意味不明。
幼少期のカスパーとフィリップが出会ったのに、
次のシーンで出てきたのがヨハナ。ここで混乱。誰?
操作のシーン、回想シーンともに丁寧で分かりやすい。
ただ、ハンスとカスパー家の関係がよくわからん。
なんで面倒みてやったの?実の父親も生きてるし。
それでも、よくできた法廷劇。
それでも、人は殺してはいけない。
それでも、戦争はしてはいけない。
それ以外に、この映画を評する言葉を
私は知らない。
重厚なテーマを扱った法廷サスペンス
許されざる者
後半からはよかった、
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