「過去のトラウマを作品に昇華させたシャイアラブーフに拍手」ハニーボーイ せき(名前変えました)さんの映画レビュー(感想・評価)
過去のトラウマを作品に昇華させたシャイアラブーフに拍手
シャイア・ラブーフの実体験に基づく物語を、本人自ら脚本を担当し映画化。
PTSDと診断された若手俳優が、過去のトラウマと向き合おうと葛藤する姿を描きます。
まずはやはり、親子を演じるシャイア・ラブーフ&ノア・ジュプが素晴らしかった!
『ワンダー 君は太陽』では主人公の親友を好演したノア・ジュプ君は、親からの愛情に満たされない少年の悲しみを的確に表現しています。
彼とFKAツイッグス演じる年上の女性が心を通わせるシーンは、どれも愛おしくてたまりませんでした。
シャイア・ラブーフについては、彼が頭をハゲ散らかして演じる父親ジェームズの姿がとんでもなく痛々しい。
息子を日常的に虐待する毒親であることは確かですが、
金銭面で息子に依存していることへの負い目、失敗を繰り返した過去への後悔など、
あまりに多くの苦しみを経験してきたことに同情させられます。
そんな本作は、過去と現在の親子関係に焦点が絞られており、作品のタッチは非常に内省的。
それでも、終盤の展開には思わず心が温かくなり、
親子の間には確かに愛があったこと、人は過ちを受け入れ赦しを与えられることを教えてくれます。
自伝的映画というだけあって、主人公オーティスとシャイア・ラブーフの実人生を重ねて見てしまうこと間違いなし。
「スピルバーグの秘蔵っ子」としてもてはやされていた彼がこんな苦しみを抱えていたなんて、
ほんのつい最近まで知りませんでした…。
これからのキャリアは右肩上がりだと信じてますよ!
『トランスフォーマー』の頃から彼を見守ってきたアナタにオススメ!
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