「「人は一人では生きていけない」。 このお話は、観る人全てにそう語りかけてくるようです。」ぶあいそうな手紙 もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
「人は一人では生きていけない」。 このお話は、観る人全てにそう語りかけてくるようです。
ブラジルの映画ということで、まず気になり、
目の不自由な老人と若い娘の交流を描いた作品のようだったので
ますます気になって鑑賞。
年老いた者の現実 そして 若者の現実。
それをエピソードに散りばめながら
老人と若者の共生する世界の模索
そういったものを描きたいのかと
途中までそんな風に思って観ていたのですが …うーん。違うかなぁ
◇
主な登場人物は、4名 (…と言い切っていいのか …汗)
エルネスト。主人公。78才の爺さん。 目が不自由。ぼんやりとは見える
ハビエル。 心を許せる隣人爺さん。 同世代。耳が不自由。 奥さんと同居。
ビア。 23才。女性フリーター。 表のヒロイン
そして、ルシア。 主人公の昔の同級生。 裏のヒロイン。
旦那が亡くなったことを、手紙で主人公に知らせてくるルシア。
目の見えない主人公に代わり手紙を読み、返事を代筆するビア。
彼女らとの日常の中に描かれる心の交流が
いくつものエピソードとして描かれます。
さりげなく かつ 「共感」 の出来るものが
多かった気がします。
そして 最後の場面
主人公は、ルシア(裏ヒロイン)の元に身を寄せるのですが
これを
「60年越しの想いを実らせた 良かったね」
と受け取るか はたまた
「年寄りのところに身を寄せても すぐに老老介護…」
とリアルな心配をすべきなのか
…
うーん 悩ましいです
ですが主人公
途中で
「過去の記憶を共有できるものと一緒にいたい」
確か ↑ このような事を言っていました。
「残りの人生は思う通りに生きたい」
と
そういうことならば
分からなくもないかな と言う気もします。
残りの人生に幸あらん事を。
※ マジメな話
目の不自由な年寄りが 生活環境を変える
これって相当な覚悟が必要な事ではないかと。
◇余談
タイトル
原題は 「Aos olhos de Ernesto」
直訳すると 「エルネストの目には」 (ぐーぐる翻訳サマ)
だそうで…
うーん
どうすれば邦題が 「ぶあいそうな手紙」 になるものやら
高齢者あるある?
病院での検査の数値を競い合う男二人。
白血球値だのPSA値だの
相手より数値が良ければ嬉しいのか
それとも悪い数値を自慢(自虐?)しているのか
…
それはそうと
二人とも、良く自分の数値を把握しているなぁ と、感心。
ボケとは無縁のようで、ひと安心です。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。