「人と人との繋がりの美しさ」ぶあいそうな手紙 KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
人と人との繋がりの美しさ
あまり見慣れないブラジル作品だったがとても見応えのある作品であり貴重な時間を過ごす事ができた。
盲目の老人エルネストとひょんな出会いから一緒に暮らすことになった23歳のビア。老人と若者といった対照的な者同士が生活する事でエルネストは知恵や知識を、ビアはエルネストの身体的サポートをする事でお互いに必要としてるものを埋め合い生活を共にする。
当初はこの老人と若者といった対照的な存在になにかフォーカスを当てて展開していくのかなと思っていたがそうではなく、あくまでそれも人と人との繋がりの一例に過ぎず、エルネストには息子や隣人の親友そして元恋人などいろんな人との繋がりの描写を各々大切に描かれいる。
それぞれ形は違えど大事にそして互いを思い合う関係性の描写が非常に美しく感じた。
後半にビアが孤独である事を打ち明け、孤独が故に悪い相手との繋がりも求めてしまう事を打ち明ける。
エルネストは孤独を感じた事がないと答えその点に関しては語ることはなかったが、人との繋がりの美しさを身をもってビアに伝える事をした。
そして最後はエルネストはビアと過ごす事で人との繋がりの美しさ、素晴らしさを再認識しプライドを捨て元恋人と余生を送る事を望み話は終わる。
この作品を観てると人と人との繋がりの美しさ、素晴らしさを終始実感させられる。そして同時に人との繋がりを求める事は人間誰しもが持ってて当たり前の欲求であり、それを正しい形で満たす事が人生を豊かにそして幸せにする事なんだととても感じさせてくれる美しい作品であった。
ここで大切なのは正しい形という事だ。ビアの様に孤独に打ち負け飲み込まれてしまうと判断を誤り、孤独以上に自分を不幸な状況に追い込まれてしまう。
そしてエルネストがビアに行った様に良好な繋がりを得るには相手を信じる事から始まるわけだ。
この辺の人と人との繋がりのバランスを凄く丁寧に魅力的に描かれておりとてもいい時間を過ごすことができた。