「本当は、描きたかったこと。」行き止まりの世界に生まれて おから先生さんの映画レビュー(感想・評価)
本当は、描きたかったこと。
アメリカでも3番目に貧しい地域“イリノイ州ロックフォード” の若者が、スケボー仲間を自ら撮影した12年間のドキュメンタリー映画です。
mid 90s’と同様に、スケートボードに熱中する若者たちが主人公になりますが、この映画の伝えようとしている内容は、若いうちから生きづらさを感じながらスケートボードに逃避していて、その生きづらさの要因は育てられた環境に帰結しているところです。
ロックフォードは産業衰退で職種が少ない地域だそうです
「最低賃金15ドルで働いている、可哀想な子たちなんだ」というナレーションが入ります。しかし日本はもっと「低いし」と思ったりしました。
この子たちが、うまく生きることができない理由は経済的な問題ではなく、家庭の問題なんだということに気づいていきます。
「虐待」です。
幼い頃から父親に殴られるので、スケートボードに逃避します。
そうすると原題のMinding The Gap(段差に気を付けろ)の意味も理解できます。スケートボードでは常に地面を見ながら段差につまづかないように集中するので、嫌なことを忘れることができます。
人種の違う3人がロックフォードで出会い、その共通のつまづきが、各々の家庭内「男(父)」。最近の映画では、WAVES、はちどりなども同様のテーマで描かれていました。
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