「かなり、面白い!」暗数殺人 CBさんの映画レビュー(感想・評価)
かなり、面白い!
過去に行なった殺人を刑事に自供する、その代わりに金銭などさまざまな差し入れを刑事に要求する殺人犯の若者。明確な時間や、場所の描写など、嘘とは思えない自白に右往左往する刑事。しかし、その自供は、犯行を入れ替えてあったり、別の被害者の事件だったりで、刑事が駆けずり回っても、なかなか立件できない。逆に、裁判に敗れた刑事は派出所勤務に回されたり、犯人から冤罪訴訟を起こされたりする始末。このまま、この頭のよい犯人に、好きなようにあしらわれて終わるのか、という話。
「俺の自供がなければ、何もできない無能のくせに!」という叫びが、犯人の全てを表している。
貧乏な家、粗暴な父のもとに生まれたというだけで、抑圧された中で育たなければならない理不尽さ。自分が人より優れていることを自覚している若者が、犯した殺人を見事に覆い隠し、逆にそれを交渉に使う。観ている俺にも、彼が人より秀でていることは明らかなのだが、その才能を使う先が殺人か・・・という点は、残念というか絶望に近く感じる。
すべての才能ある若者が、貧富の差別なく、その才能を人類の幸せのために使えますように。
おまけ
オープニングで観せる、"食うシーン"。緊迫感が、食うシーンと混ざると、なんだか気持ち悪い感じを出すには最高だ。韓国映画や中国映画は、こういうシーンが上手だと思う。
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