「【母を突然亡くした蒙古症(ダウン症)の女性が、ふさぎ込む父を叱咤激励しながら亡き母の故郷を目指すロード・ムービー。二人の周囲の人や、旅で出会った人々の温かさが沁みます。】」わたしはダフネ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【母を突然亡くした蒙古症(ダウン症)の女性が、ふさぎ込む父を叱咤激励しながら亡き母の故郷を目指すロード・ムービー。二人の周囲の人や、旅で出会った人々の温かさが沁みます。】
ー 当時の資料を読むと、今作の監督・脚本を手掛けたフェデリコ・ボンディは数年前に偶然見かけたバスの停留所で立ち尽くすダウン症の女性と父親2人のイメージから、今作を着想したそうである。
だが、今作では、妻を突然失いふさぎ込むルイジ(アントニオ・ピオバネッリ)に対し、娘のダフネ(カロリーナ・ラスパンティ)は愛情の裏返しの様に、父に掛ける言葉はシニカルで厳しい。
けれども、二人の仲はとても良さそうだ・・。-
■カロリーナ・ラスパンティさんは、劇中のダフネと同じように地元のスーパーで働きながら、自伝本を2冊上梓する程、活発な女性だそうである。
ダウン症の映画俳優と言えば、近年ではザック・ゴッサーゲンの活躍が目に付くが、この女性にも、光が当たって欲しいと思った程の自由奔放な演技であった。
◆感想
・突然、妻を失い呆然とするルイジに対し、気丈にキビシイ言葉を掛けるダフネの姿が印象的である。
・そして、ある日ダフネは父に”お母さんの故郷を歩いて尋ねよう!”と提案する。
- 実際には、列車に乗ったり、親切な若い兵隊さんに車に乗せて貰ったりするが、ダフネは誰に対しても、ユニークさを忘れずに接する。-
・氷室を除いたり、漁師宿に泊まったりしながら、二人は母の故郷コルニオーレを目指す。
<父にキビシイ言葉を掛けつつ、ダフネは父の健康(喫煙)を気遣い、”頼りにしてね・・”等と言いつつ、一緒に山道を歩き、何気ない会話を交わす二人。
二人の仲間達の温かさや、旅の途中で出会った人々のさり気ない優しさ。
そして、二人は亡き母の故郷の家で、新しい生活を始めるのだろうな・・、と思った作品である。>
■ダウン症を蔑称で蒙古症と呼んでいた事を今作で初めて知った。