劇場公開日 2020年3月27日

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「【”世界で一番”私”を捨て、国に貢献したパワフルな大統領を、パワフルな映画を撮り続ける男が捉えた作品。】」世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”世界で一番”私”を捨て、国に貢献したパワフルな大統領を、パワフルな映画を撮り続ける男が捉えた作品。】

2021年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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■冒頭、ホセ・ムヒカ(ウルグアイの人々は、彼をペペと愛称で呼ぶ。)が、エミール・クストリッツァ監督に、マテ茶を勧めるシーンから、今作は始まる。
 ムヒカのマテ茶の入れ方が、何だか可笑しく、神妙な表情のエミール・クストリッツァ監督も・・。
 そして、二人には笑みが零れ、ドキュメンタリーは始まる。

 ・国民の貧困を無くすために大統領報酬の8-9割を寄付していたホセ・ムヒカ。そして、彼は貧困層のための住宅建設プロジェクトを始め、農業育成にも力を注いでいる。

 ・今作では、ムヒカの大統領としての仕事よりも、彼の若き時代の激しい左翼ゲリラ活動にフォーカスされる。

 ・更に、同年齢の男性から、突然浴びせられる口論、罵声もありのままに写され、貧困地区に住む子供たちの演奏する姿、任期を終え、闘争時代に恋に落ちた妻ルシアの口から語られるムヒカの魅力。

 ・エミール・クストリッツァ監督から”今までの人生で後悔した事は?”と問われ、”子供を持てなかった事”と即答するムヒカの寂しげな姿。
 彼ら夫婦は13年にも及ぶ獄中生活を送ったため、子を持てなかったのだ。
 その代わりに、ムヒカは多くの本を読み、膨大な知識を得、大統領になり実践していったのだ。
 そして、彼が語る荒唐無稽とも思える”地球をよりよくするためのアイディアの数々・・。

<故郷を戦争により失った、エミール・クストリッツァ監督が、ホセ・ムヒカに惹かれた理由が良く分かる。
 本作は、ムヒカの思想を”読み取る”ドキュメンタリー作品である。
 今作に、興味をお持ちになった方は、是非、田部井一真監督の『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』を鑑賞する事をお勧めしたい。
 あの有名な国連での消費主義社会を強烈に批判した名スピーチや、日本の大学生たちへのスピーチなど、琴線に響くムヒカの言葉が聴けます・・。>

NOBU