TENET テネットのレビュー・感想・評価
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映像はすごいんだけど、おかわりするほどではないかな
IMAXレーザーでみたから、映像・音響は大満足なんだけど、内容的にはインセプションほどの衝撃を受けなかった。逆行する時間軸っていうの斬新ですごいんだけど、期待以上の内容ではなかった。
ラストで思ったけど、それってジョン・コナーではございませんか? 自分を助けるためにニールを送り出した? このループって無限に続くの? ノーラン監督なんだから、従来のタイムトラベル物の域をもっと超えてきて欲しかったな。
見た後に振り返ると、話の辻褄は合うんだけど、なんかしっくりこない。
主人公は、どうしてキャットにどうしてこだわったのか。世界の危機が迫っているんだったら、当然、冷徹に見殺しにするべきだと思うんだけど。この辺から違和感を感じ始めた。キャットが生きていないとループが完結しないはわかるんだけど。。。
頭が悪そうなロシア人が人類の運命を握っているのも乗れなかった理由かな。癌が初期の段階の過去にさかのぼって、自分自身に教えてあげれば、よかったんじゃないの。と思ったけど、異なる時間軸の自分を救うだけで、末期癌のセイターはそのままかな。
ちんぷんかんぷん
逆再生で映像表現がしたいというのが最初にあったのだろう。それに後付けして未来人やSF的な設定を構築して、時間がなかったのか非常にいい加減で、重厚で思わせぶりで、実は中身が空っぽ。まともに考えようとするとどこにも答えなど用意されてないから考えるだけ無駄だ。
時間が逆行するからとの理由で、熱で低体温症になるというのだが、だとしたら他にもいろいろと逆行しなければおかしい。音が逆に聞こえて逆さ言葉でしゃべるとかしないのか。食べ物を口から戻してお皿に並べるとか、うんちがお尻に吸い込まれたりしないのか。映像的に都合がいいところだけ逆になる。
ただ、飲み込みづらいところがあるのだけど、目新しい映像表現は多々あり、演技も演出もすごくよくので駄作だと割り切ることもできない。
理解が...
遊び心と思えば
冷静に考えても理解不能。
『テネット』鑑賞。
*主演*
ジョン・デビッド・ワシントン
*感想*
ノーランの作品は「インターステラー」と「インセプション」を観ました。どちらの作品も難解でしたが、インセプションは面白かったです。最新作もかなり難解らしいので、覚悟してましたけど、冷静に考えても、ワケわかんなかったなぁー(^^;
無理に理解しようとせず、見てましたが、ストーリーがとにかく難解だった。タイムスリップして、過去と未来の演出が凄かったけど、全体的に何がどうなってんのかさっぱりわからなかった。←特に終盤。
音楽と迫力は神レベルだったが、肝心のストーリーが非常に解りにくい。
回転ドアの中に入って、数分前に戻った所とか、人が巻き戻ってる描写とか、爆破や銃弾、時間の流れや逆行とか一応説明はありましまが、解りにくい!
最後の方とかも「?」だし、展開が早すぎて最後まで置いてきぼりになってしまったw
総じて、評価がつけにくいのですが、現在と過去と未来が行ったり来たりして、ストーリーはよくわからなかったけど、一応アクションシーンがかなりあって興奮はしたので、星4つ!
脚本がある意味凄かった。。
さすがノーラン。
こんがらがる愉悦
21世期のキューブリック、クリストファー・ノーラン話題の作品。映像の美しさ、不可思議さは、期待を裏切らない。
内容は「インセプション」のモチーフと、「インターステラー」のパラドックス、「ダンケルク」の迫力を足して円周率?で割った感じ。初見では全てを把握するのは困難。この辺りがノーランの面倒くささなのだけど、この映像は映画館の大画面で観たいし、内容の深掘りは家でシーンを手動で移動して確認しながら観たいし。いっそのことスクリーン貸し切りで、自在に巻き戻ししながら観れたらいいのに。
最初は何がなんだかよくわからないまま、スパイアクションが展開され、その後すぐにややこしい時間の逆行アイテムが披露される。撃った弾丸は拳銃に戻るわけだ。こちらの時間軸では時間は一定方向に進むのだが、あちらから来た物体は"逆行"している。これが本作の基本設定だ。そうしたアイテムが研究所で保管されていたけど、これらは時間が経てば加工前の金属や火薬などに分解されて、原材料になっちゃうんじゃないのだろうか。
なんて余計な心配はさておき、しっかり観てないと(しっかり観てても?)何がどちらの時間軸かわからなくなり、大混乱となる。普通の物語のように、伏線の因果関係があるという前提が微妙にズラされるので、頭の中が混線するのだ。そこがまた楽しいのだけど。
ノーランの狙いもこの辺だろうと思うが、悔しいかなどっぷりと罠にハマってしまった。始まりから終わりに向かう時間と、終わりから始まりに戻る時間を噛み砕きたいけど、現実の映画はエンディングへ一直線。後戻りはしない。ストーリーを追うだけなら、基本的に主人公は常に同じ方向の時間軸なので、そこを足場として見れば、追いつき易いのではなかろうか。
主演はジョンDワシントン(デンゼル・ワシントンの息子)。「ブラッククランズマン」のチャラい感じとうって変って、スーパー諜報員。落ち着いた感じが良いですね。ケネス・プラナーは「ダンケルク」に続いて重要な役所で、画面を引き締めます。昨年の「イエスタディ」に主演したヒメーシュ・パテルも少し出てます。人種も国籍もさまざまで、ここも今のハリウッドの世相を象徴していて好感持てますね。
まとめると「インセプション」同様、やってくれたなというのが率直な感想。もう一度映画館で鑑賞した上で、配信やブルーレイの発売を待ち、細かいところを補完したくなる。ノーラン教への洗脳要素が満載の作品だ。ノーランはきっと、映像で脳内のどこかを刺激して、常習性のある麻薬物質を出させる秘密を握ってるに違いない。
すべてが「TENET」というタイトルに集約されているのが、また心憎い。邦題でカタカナ表記されると台無しだけど。
時間の逆行という奇妙なネタにチャレンジ
うん、確かに不可解。。
最後のシーンを見て。う…ん、このストーリーはどっかでみたような感覚になった。ターミネーターかな。
ターミネーターのストーリーに、時間の逆行という奇妙な武器?を加えて、逆再生と再生が入り混じった不思議な映像で作られた作品という印象を受けました。
後半の戦闘シーンは、敵の姿がはっきり描かれていないので、砲弾は飛んでくるのに相手は誰?ん?ん?っていう疑問が最後まで残り、しっくり来なかった。
第三次世界大戦から世界を守るため!という大義も未来の画がないからか、なんとなく説得力に欠ける印象…
でも、逆再生と再生が交錯した映像や、後半で前半とのつながりが、見えてくるところは面白い!さすがです。
ノーランワールド全開です!!
さぁー久々のノーラン監督のSF映画!!しかも予告編からノーラン色満載でした笑( ̄▽ ̄)
クリストファーノーラン監督の代表作といえば「インセプション」
夢がテーマでしたよね(≧∇≦)
独特の世界観と、少し複雑なルールを設けてそれを具現化した映像が、SFらしさと幻想世界的な描写を可能にしています。
そして僕らはそれを読み取ろうと映像のあらゆるところにその伏線がないかを無意識に探してしまう、、、、、
それくらい作り込まれているから、世間的に"難解"と呼ばれている所以ですね( ̄▽ ̄)
そして今回は「時間の逆行」がテーマです。
まさに上記のとおり、しっかりルール作りと映像化、そして今回もそれを僕らは読みとこうと必死に見入ってしまっておりました(ーー゛)
最後にしっかり伏線回収してくれますが、謎を知った上でもう一度観てみたい映画でした。(≧∇≦)
深いところが理解できなくても大筋は楽しめるかと
会社の有休を使って初日に鑑賞してきました!
【感想】
いや~噂通りの難しさで20ヵ所ぐらいハテナが残りましたが、ストーリーの大筋は割とシンプルで、なんとか置いて行かれずに観ることができました。この辺りエンターテイメントとして落とし込む上手さはさすがノーラン監督といったところでしょうか。
映画が終わったあと、周りのお客さんは「めちゃくちゃ面白かった」という人と「全く意味が分からんかった」という人に二分されていたように思います。
見どころはやはり主人公が時間逆行の世界に入るところでした。そこからは時間が前に進む組と逆行組が同時進行になり、ま~めちゃくちゃなんですがどうやら筋は通っている様子。最後の10分間の作戦シーンは本当によくできていますね。感覚的にはジョジョ第6部のプッチ神父戦みたいな感じですかね笑
ノーラン作品の中ではもう1~2回観てインセプションと同じぐらいの評価になるかなという印象です。インターステラー(3回ぐらい泣きました)のように心に訴えるものはなかったので、間違いなく名作ですが★4つとしました。泣けるスパイ映画なんてないですけどね。
【俳優・女優について】
キャサリン役のエリザベス・デビッキさん、グレイト・ギャツビーなどにも出演とのことで見たことはありましたが、こんなに美人で存在感のある女優さんだとは知りませんでした。演技もさることながらスタイルの良さと身長の高さが際立っており(主人公と並ぶと見降ろすぐらい・・・)、調べてみたら190㎝もあるんですね!劇中では高いヒールを履いていたので2mぐらいあったということですか・・・。
それからニール役のロバート・パティンソンさん、トワイライトやハリポタなどヒット作に出演していてすでに人気俳優なんでしょうが、個人的にはなんとなく軟弱なイメージであまり好きではありませんでした。しかし、本作では優男感を維持しながらアクションもこなすし、微妙に正体不明な雰囲気も醸し出すという絶妙な役どころを完璧に演じていました。これからもっと大物になるんじゃないですかね。ザ・バットマンめちゃくちゃ楽しみになりました。
そして、名前やバックグラウンドが一切明かされないにも関わらず、その演技とキャラクターで親近感を持たせる主人公役のジョン・デビッド・ワシントンさん、これまではデンゼルの息子と呼んでいましたがしっかり名前覚えます笑 この方も大物になりそうですね。ブラッククランズマンも面白かったし。
全体の感想
まず、ストーリーはトントン進みます。
展開が早いので、登場人物の把握が出来ていないと難しく感じるかも。
テネットは、奥深いというよりかは難解に近いです。
ですが、決して難しすぎて一回では理解できないようなレベルでありません👺
最初のオペラハウスのシーンは、興奮しました。序盤だけど、正直何やってるかは不明。(後に繋がる為)
逆行シーンは、新しいアクションで面白い。しかし、迫力を求める人からすると少し物足りなくも感じるかも。
僕は、肉弾戦の逆行アクションが好きでした!!
順行して起こっている事が、逆行していく事で紐解かれていくのは、なるほどなぁってなるし、面白かったです!
タイムトラベルとは違い、時間が逆行するにも同じ時間が経過しないといけないという点は、面白いなと感じました。
順行して世界を救う名もなき男。
逆行して世界を救うニール。
この構成は面白かったけど、ニールの最後を思うと悲し過ぎる。
スタルスク12の逆行、順行チームのそれぞれの描き方や同じ建物を使い、挟撃を表現してたのは流石でしたね😨
敷いていうならば、キャットが贋作で弱み握られている点や、タイラーの命が全て握っている点は、少しチープに感じてしまいました。
最後に、インセプションやダークナイト、インターステラーと比べるとラストシーンのハラハラは少なかった気がする。ノーラン監督といえば、ラストに多場面それぞれをドキドキさせてくれる描写が好きなのですが、今回のラストはドキドキが少なかった気がします。
インセプションが好きなら好きな作品かもです!!
1番好きなダークナイトは超えてこなかった!!
わかんない。
設定と映像のゴリ押し(良い意味で)
随分昔にみた予告で気になっていたノーラン監督の映画がついに公開されたので鑑賞。
期待していた通りの凄い映画でした。
序盤、若干の退屈さはありますが、中盤辺りでストーリーの全容について
ぼんやり理解出来るようになってからは、目まぐるしく進む展開や
トンデモ設定から繰り出されるド迫力なトンデモ映像の数々から目が離せません。
一体どんな頭をしていたらこんな設定を思いつき、こんな映像が撮れるのか。
確かに正直何が起こっているか分からない部分も多くありましたが、
個人的にはあまり細かい部分を気にせず感覚で観ている部分があるため、そこまで気にはなりませんでした。
ただ、設定について深く考えてしまうなど、気になる人には気になるかもしれません。
テレビや小さいモニターで観ると面白さが半減する映画は色々ありますが、
これこそ映画館で、そして出来ればimaxで観て欲しいと思います。
高名な現代芸術作品をみるのと同じか
高名な現代作品を見たことがありますか?大半の人は何が何だかわからないでしょう。
でも、専門家という人があれこれ説明して素晴らしいと誉めそやし、大半の人々は「よくわからないけど専門家が素晴らしいというからには素晴らしいんだろう」、「理解できないのは自分の知識不足のせいだろう」と無理やり納得する。
まあ、この作品も同じようなもんでしょ。
はっきり言って、何が何だかわからない。わかったのは主人公の活躍によって世界が救われたということ。
時間の順行、逆行、タイムパラドックス等、エントロピー増大なんて自分にはよくわからんし、「時間の矢」なんてそもそも現代物理学でもわかっていないでしょう。
訳のわからないものを観客に理解できるようもっともらしく物語を作るのが監督の才能というなら、残念ながらこの監督には才能がない。
あと一つ言えるのは、ハリウッド映画にありがちな女性を大切にする姿勢は、世界を救おうとする主人公の目的にはそぐわないので強い違和感があった。
1回見て物語のあらすじが理解できないような作品は、決して良い作品ではないと思う。
作品の評価はとても低いのだけど、コロナ禍で劇場が閉鎖されている中、意を決して公開したことを踏まえて評価は甘目です。
「THE・ノーラン監督作品」という感じ
とうとうこのギミックにたどりついたか……!というギミック。
ノーラン監督ならいつかはやるだろうな、と思ったけど、実際に出来上がったものを見たら想像以上に素晴らしくて満点!って感じでした。
ノーラン監督作品は「今何が起きているのかわからない」という人もいますが、基本的には物語のスタートとゴールは簡単になっていて、中盤何が起きるかはわからなくても、終盤どうなるかはわかりやすいといえます。
「何がどうなってゴールするのか」をわかりにくくするために四次元的存在とか記憶とか夢とかそういうギミックをおいているんでしょう。
今回の仕掛けは、そういう意味では「スタートとゴール」がこれ以上なくわかりやすくなる仕掛け。
一方で、その中間はめちゃくちゃ解らなくなる仕掛けです。
とはいえ、スタートとゴールがわかりやすく、またわかりやすくなるための舞台装置も数あるため、意外に「話を全く追えない!」って人はいないと思います。
また、その舞台装置のおかげで「こんなの初めて見た!」という映像が次々に出てくるし、
ギミックにたいする科学的な考証も確りやったうえでエンタメ的に面白くしているんですよね。
ノーラン監督ってメメントやダークナイト辺りで苦手意識があったんですが、ここ最近のエンタメに振り切っている作品は好きです。
オーシャンズっぽかったり007っぽかったりと、ジャンルごとのツボもしっかり押さえているし、「このギミック使うなら当然あるよね?」と期待したアレコレもしっかり回収していってくれたので満足です。
ただ、ノーラン監督って「よくよくストーリーを追ってみると、ご都合だったり、バカがいたりする」というのがあるんですけど、今回は比較的スタートゴールの関係性がわかりやすかったせいか、初見でもそれが見えてしまっていた部分があります。
ノーラン監督作品の楽しみ方ってその辺気にせず監督に身を委ねて「なんかわかんないけどすげぇ!」ってなることだと思うんですが、わかってしまったので☆をひとつ減らし。
今後考察いっぱい出てくると思うので、「さすがに深読みしすぎでは汗」というような考察含め楽しむことができるのもノーラン監督作品の面白さですね。
言葉に表現がなかなかできない自分が悔しい
正当な評価ができるのは理解したもののみ
前々から期待していた本作がどのような展開になるのか、どんな世界を見せてくれるのか、間違いなく今年一番楽しみにしていました。
さっそく公開日に鑑賞してきましたが、ついにノーラン監督の変態っぷりが最大限発揮されたなといった印象です。これまでの作品でも壮大な物語で観る人をその世界観に酔わせてきたノーラン監督ですが、この映画はこれまでの次元を超えた世界観でした。
事前情報から話が難解であることは理解していたものの、やはり途中から振り落とされたように展開についていけなくなりました。もう観ているというより、観させられるくらいスピーディに展開される話なので、内容をかみ砕いていくような余裕はなく、今を常に見ていないと到底追いつけない話になっています。例えるならジェットコースターに乗りながらその瞬間瞬間の展開を理解していくような感じです。
現在から未来へ進む時間軸と現在から過去に進む時間軸が交わるカオスな展開は、観る映画というより感じる映画なのかなと思いました。それくらい難解な映画でした。
評価は3.5としましたが、映画としては非常にリアルでありスペクタクルであり、物語の理解度によっては4.0、それ以上が出てもおかしくはないですが、僕は理解が追い付かなかったので今回はこのような評価としました。
おそらく評価が分かれる本作かと思いますが、正当な評価を下せるのは物語を理解できてからでしょう。そして理解できた時にこの映画の真髄が見えてくるのだと思います。
レンタルが始まったらもう一度挑戦してみたいと思います。
初めて観る方はYouTube観て内容頭に入れてから行った方がいいかと思います。それでも内容が分からないかもしれませんが、初見殺しの作品なので観てもネタバレにもならないと思います。
【時間の順行/逆行のループ、TENET】
作品のキャプチャーや、予告編でも明らかなように、この作品では、時間の逆行が重要な仕掛けになっている。
そして、もう一つ、映画のタイトル「TENET」が重要な示唆を含んでいるようにも感じる。
TENETは、作品の字幕では「主義」とされていたが、-ismとは区別して「信条」と訳されることが多い。
そう、この作品には、クリストファー・ノーランの独特な何か逆説的なテーマが隠されてるようにも感じるのだ。
(以下は僕の勝手な思い込みも含んだレビューで、一部ネタバレもありますのでご留意下さいな)
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映画のなかで、様々な意味で僕達を悩ます時間の逆行は、問題解決のツールとして扱われる。
ほんの一瞬から、スタルクス12の爆破事故までの長い日数を遡ることもある。
時間が順行する中で、過去の自身の作戦行動と交錯し、同一人物同士が鉢合わせするパラドックスの危機が起こり、プルトニウムをめぐるカーアクションにも目が離せない。
エンディングの前、スタルクス12の順行部隊と逆行部隊の作戦行動では、時間の逆行を一瞬、順行部隊に先に見せることによって、作戦を成功に導こうとするのだが、ここが一番、ツールとしての時間の逆行が理解しやすいところだと思った。
あと、個人的には、キャットがダイヴする場面で、もしかしたら、自分が未来から来た自分を知らずに眺めていることもあるのかと、ベタなSF感もあって良かったと思う。
前段で、時間の逆行は、問題解決のツールだと書いたが、同時に世界を滅ぼす可能性も秘めていた。
科学者の探究心が致命的な結果をもたらすのは、核兵器の父と呼ばれるオッペンハイマーのエピソードからも明らかだ。
この世界の破滅を食い止めるのが、「名もなき男」の使命だ。
ただ、こうした壮大なSFの仕掛けやアクションが展開するなか、映画が、旧ソ連の核実験施設を巡る話に触れることで、実は別のテーマが込められているのでと意識させられるようになる。
それは、主義や信条、つまり、TENETが、僕達の現実の世界の中で、いとも簡単に時間を遡るように元に戻ってしまう危うさを秘めていることだ。
ソ連は崩壊したが、そのあとを継いだロシアは、ロシア人の保護を盾に、クリミアに侵攻したり、ウクライナ国境での軍事行動を展開したりしている。
第一次世界大戦の反省の上に「民族自決」が唱えられた結果、ナチスドイツは、ドイツ民族の保護を名目に東欧やオーストリアを併合し、第二次世界大戦を引き起こした。
同じだ。
歴史は繰り返すと言うが、類似した出来事が発生しても、過去の学んだ知恵で、人間はこれを克服するという意味で使われていると思っていた。
しかし、世界の現状を見ると、決してそんなことはないことに気が付く。
イラク戦争を見る限り、アメリカも過去に学んでいたとは決して思えない。
オバマとプーチンの間で合意され、オバマのノーベル平和賞の受賞理由となった核兵器削減は、既に反故にされたも同然で、米露はお互いの主張を譲ろうとせず、核兵器再拡大のリスクも高まっている。
人権を蔑ろにし、差別を助長しようとする行為が散見されるようになったことは、人間が長らく培った民主主義や平等、人権などの価値観を大きく揺さぶってもいる。
時間の逆行が、映画のなかで問題解決のツールになり得ても、僕達の現実の世界では、様々なTENETが自ら過去の価値観に回帰しようとすることで、問題解決は遠のく一方なのだ。
「こんな世界にしてしまったのは人間なのだから、この世界を終わりにさせる」というセイターの言葉は、アベンジャーズ のサノスにも通じる破滅的主張で、何の解決策も提示していない。
エンディング、ニールの雇い主が、未来の名もなき男だったことが明らかになる。
名もなき男とニールは、世界を救うために、永遠に同じ時間のなかをループし続けるのだろうか。
逆説的だが、まるで、僕達の現在の世界で、様々なTENETが現在と過去の価値観のなかで行ったり来たり揺れ動いているかのようでもある。
実は、僕達がするべきことは、時間を逆行させるのではなく、過去の価値観に逆行しようとするTENETを元に戻すことなのではないのか。
そして、一度引き戻せたとしても、また、TENETは逆行しようとするに違いない。
セイターやシンがいない世界では、セアターやシンを過去で救おうとする者が必ずいるだろう。
こうした、綱引きのような、何度も引き戻そうとする行為は、名もなき男とニールが同じ時間のなかでループするようなものかもしれない。
しかし、去って行くニールに悲壮感はなかった。
名もなき男と共にいずれ世界を救えると確信しているかのようだ。
実は、映画のなかの「名もなき男」とは、僕達自身のことではないのか。
解決策は簡単ではないだろう。
しかし、世界を救えるのは僕達自身なのだと言っているのではないのか。
だから、「運命なのか?」という問いに「現実だ」という回答だったのではないのか。
「運命」として受け入れるのか。
「現実」として対処するのか。
どちらも決めるのは僕達なのだろう。
そんなことを考えながらの鑑賞だった。
黄昏に生きる
第3次世界大戦を防ぐ為に時間を遡るスキルを使って暗躍する男の話。
プルトニウムを巡って時間を遡りながら戦って行くけれども、パラレルワールドってことは、結局主人公自身がいる時間軸だけってことだし、戻った時間軸の中で時間経過を戻すけど、一瞬でもタイミングが違ったら、一緒に戻った人物と会話出来なくないですか?
全て先読みしていないと成り立たない行動とか、辻褄があっていない様に感じたのも自分が理解出来ていないだけ?
SFだから突っ込むなってこと?
その時々起きていることは面白いのだけど、設定が色々噛み砕けていないからか、納得出来ないからか、釈然とせず。
冷めたことを言うと、そんなタイミングじゃなくてもっと楽勝なところ狙って遡れば…と思うし、物語的にはあーそーですかという感じしかしなかった。
よくわからなかった
・薬の力で過去にいけるようになる能力が目覚めるのかなぁって思ったらそういうわけでもなくて、回転ドアが二個あって過去の状況とやり取りをしていたりと混乱しっぱなしだった。結局、道理がわからず終わった。
・過去に戻っている?時間軸と今?の時間軸とがぶつかっている状況の映像が面白かった。バックしてきた車とのやり取りや銃弾が戻ってくるけど、当たると痛いっぽいのとか。
・過去の自分と合うと世界がぶっ壊れるっていう理論がバックトゥザフューチャーでドクが言ってたなぁと思った。薬でそういう事をしてたので、それと同じくらいの大規模な事をしていたのかと思った。
・第三次世界大戦を防ぐために拉致された?主人公がマフィアの妻に執着し始めたのがよくわからなかった。好きになったのか、可哀そうだから助けようとしたのか、どちらもでいいのだけど何で?って思った。
・全般、よくわからなかった。もう一度見たらわかるのだろうか…。
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