TENET テネットのレビュー・感想・評価
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観賞後も頭使う
コロナ禍での久々の映画館、IMAXで鑑賞しました。
とにかく言えるのは、やっぱり映画館で観るべき映画はあるということ。
自粛生活に慣れると、テレビで全然事足りるじゃん、と思ってましたが、TENETでぶっ飛びました。
この作品、クリストファー・ノーラン監督がやりたいことをやった感がすごいです!!今自分の脚本でこの規模の映画で制作GOサイン出るのはこの人だけではないかと。
主人公は名もなき男なのですが、自分の場合、あれ?そういえば、、と後半になって主人公に名前がないことに気付きました。
それくらい夢中になってストーリーを追っかけてしまう内容です。
とにかく怒涛の展開で、さらに時間の順行と逆行というシーンをいろいろ処理するために、すっごい脳を使った気がします笑
ただ、名もなき男とニールが具体的にどう出会ったのか、最後まで明かされませんでした。でも、ニールの様子や、途中キャットが作戦前にニールに挨拶をしたかったとこぼす事などから、キャットの未来の息子では?と思っています。
そう考えると、別の見方ができてよけいに感情を揺さぶられる。
とにかくもう一度観に行かないと!と思わせる映画でした。ただただ、すごいなー!!
超最新技術×超教えるのが下手な先生×ラ・ジュテ!?
コロナの中、映画業界の救世主状態の期待&話題作、先程IMAXで鑑賞!
まずはよかった所から!
・「逆再生」の新鮮さ
今や「技術の飽和状態」になっているハリウッドの中で、意外と新しい・今まで見たことのない「時間の逆行」。今はスマホ一台で編集できてしまうような「逆再生」という技術をここまで本格的にストーリーの主軸・映画の見どころとして使う、ということは新鮮で面白い!!!
・ひたすら驚愕
「どうやって撮ったのコレ??」と何度も驚かされる逆再生×アクション!ただ戦っている映像を撮って逆再生するだけじゃあもちろんない。『時間に沿っている奴』VS『時間を逆行している奴』、つまり2つの時間の流れの中で生きている2サイドの人々(同じ人物の時もある)の戦いが笑っちゃうぐらいひたすらすごい。特にジャンボジェットのシーンなんてずっとポカーンと口を開けていた…
・脚本
お見事な伏線回収!!空港内の逆行マシーンから出てきたマスク姿の男や、船から飛び降りる女…きっと何回も見直せば見直すほど発見ができ、感心させられるのでは!?今年受験を控えているのでもう見にはいけないが……
続いて悪いところ
・「超教えるのが下手な先生」
タイトルにもある通り、「超教えるのが下手な先生」とはもちろん本作の大監督クリストファー・ノーランのこと。観賞後、かなり難解だったが6〜7割は理解できたと思っていた。そして帰宅し解説を読んだり聞いたり見たり、ひたすら考えた結果、コレ意外と単純な話じゃない??どうしてここまで鑑賞者は混乱してしまうかというと、
【Aを探すためのBを探すためのCを探すためのDを見つける】という無駄に遠回りさせるような仕組みになっているからだとぼくは考える。そして1番大きな要因は「登場人物にバカ・無知キャラ」がいない事。このキャラクターがいることで非常に自然な流れで観客に「時間逆行ルール」を説明できる。今回はそんな簡易的な説明があまりに薄いため置いていかれてしまう人も多いのでは。
・いらないシーン多くない??
今回は上映時間が150分=2時間半あるためそれなりに中だるみも感じる。それは省略できるであろうシーンがすごく多いから!例えばノーラン映画お馴染みのマイケル・ケイン。正直あのシーンいるかな…?何なら「インセプション」の時と同じように銃弾の逆行の説明をしてた女のバーバラの役をマイケル・ケインでよかったんじゃ??まさに知性あふれる博士…的な。さらに言ってしまえば、あんなに世界各国を飛び回る必要性あったかな??
・スッキリさせて!!
これは割と無茶苦茶な、僕の勝手な言い分だけど、ラストにしても音楽にしても決定打がなくない?「インセプション」みたいな壮大なテーマが流れてピタッと終わるような。
鑑賞前からサウンドトラックは何回も聴いた。音楽は今回は「ダークナイト3部作」「インセプション」「インターステラー」「ダンケルク」などのノーランとタッグのハンス・ジマーが担当していないこともある。だけど今回担当の人だって「マンダロリアン」「ヴェノム」などの大作を手がけている人だから、当然わういわけじゃないんだけど…決定的な「テネットのテーマ」が欲しかったなあ。
そして最後の「ラ・ジュテ」。これは1962年のフランス映画で、間違いなく本作のベースになっていると思う。ぜひ見て欲しい!!!
変則スパイ映画として楽しむ
クリストファーノーラン監督作品はすべて視聴済み
そんなわけで本作も当然視聴
2時間半の視聴、エンドロールのあと照明が館内を照らすと
「難しい」、「こんがらがる」という視聴後のつぶやきがあちこちから・・・
私も実際楽しむためには頭を使うと感じたし、整理が必要と感じた
のでまとめていく(ほぼネタバレなし)
なお、諸々の細かい説明はパンフレットに図付きで書いているので
パンフレットは必ず買ったほうがいい。筆者は非常にいい仕事をしている。
[時間を逆行するギミック]
一般的なタイムマシンものは"離散的"に時間を移動する。
例えばバック・トゥ・ザ・フューチャーでは
デロリアン で 1985年から1955年 にタイムスリップする。
しかし本作は"連続的"に時間を移動する。
・・・というと難解になるので噛み砕くと
ある装置を使うと「世界の巻き戻し」がはじまるのである。
それはビデオを逆再生しているのと同じ要領で
逆再生している世界を舞台に主人公たちが活動するのである。
多少SF的知識があれば、CMの時点でわかっているだろうが
これは諸々の理由(例:光の方向)で科学的にありえないので
本作を楽しむには「理論的なことは脇におく」ことが重要
サイエンスフィクションというフィルターで見るのではなく
映画として視覚効果を楽しむことが大事
・逆行世界だと主観的未来での傷が過去の自分に現れる
・順行世界で逆行した攻撃を受けると逆行しないと傷が塞がらない
という描写は混乱するが、
これらは「優勢な時間の流れ」という概念があるので、
本作で優先される因果にはレベルがあるということだろう。
私は傷が再生するというのは、「元の状態に戻る」ということを示し。
逆行弾は「過去に向かって銃創ができる」ので、
因果が逆転して銃創ができた状態に戻り続ける、
だから再生しないのだろうと認識した。
[映画のジャンルについて]
CMの弾丸が弾倉に戻る表現から
視聴前は時間を逆行するアイテムを使ったSFアクション映画を期待していたが
実際に作中で表現されていたのは「巻き戻し」を活用したスパイ映画だった。
そう本作は完全なスパイ映画である。
潜入、特殊工具、銃撃、高級スーツ
カーチェイス、尋問
キッチンでの格闘、長い息止めアクション(これも今やスパイ映画のお約束)
各地を移動、大量破壊兵器の使用を阻止
視覚効果こそ斬新だが、スパイ映画として多くの要素がお約束に則っている。
巻き戻しという小道具が斬新すぎて難解に思うかもしれないが
巻き戻しを作中でどういう扱いにしたいか、ルールがわかれば
変則スパイ映画として楽しめるだろう。
[キャラクターについて]
斬新な視覚効果に思考力を持っていかれるので
バランスを取るためか人間関係はシンプルに表現されている
冒頭から主人公はかなり超人的な人間で
代わりにヒロインの人間的な部分の描写に多くの時間が割かれている
私はもう少し主人公の苦悩や決断を描いても良かったかと思うが・・・好みによるだろう
[ストーリーについて]
作中で表現されているのは全体像の一部であり、決戦に至る前後
そこに至るまでのストーリーにあれこれ想像をふくらませるのが楽しいだろう
実際私はそうして楽しんでいる。
[総評]
小道具の斬新さから多少の難解さはあるが、
タイムマシン映画+スパイ映画として解釈すれば問題なく楽しめる。
逆行のアイディア、映像表現は極めて新鮮で一見の価値あり。
本作のスクリプトドクターに最大の賛辞を。
今回も・・・観てて疲れました^^;;;
ほとんどの話題作の公開が延期される中で、先陣切って公開されたTENET
クリストファー・ノーラン作品って、評判も評価も高いんですが・・・
1回観ただけでは何が何やら?で、2回観る気力もわかないってのが本音(^◇^;)
私的に面白かったのは、ストーリーが分かりやすいDCコミック系のみで、その中でもダークナイトが、自分映画史の中でもベスト5に入る傑作!
さて今回のTENET は、何度も冒頭の予告は観てたので、楽しみでしたが・・・
中盤から同じようなシーンの繰り返しと、逆回転で行ったり来たり疲れました^^;;;
映像革命って騒がれてますが、サントラもいい感じでした♫
早く、、ワンダーウーマン1984とブラックウィドウが観たい!
今回の主演の1人ロバート・パティンソンの新作バットマンも観たい!!
理解できませんでした
全然理解できなかった。
お金掛けてるし、クリストファーノーランだし、映像は凄いから、高評価の人はいるだろう。かなりの挑戦作だと思うが、観客がついていけない映画が良い映画なのだろうか?
映画のキモ。"逆行"について。
タイムマシーンみたいな機械(回転扉)があって、それを使うと"逆行"出来る。逆行すると自分以外は反転する。例えば人は後ろ向きに歩くし、鳥は後ろに向かって飛んでいる。つまり、逆行中はビデオを巻き戻して見てるような状況に落ちる。また、逆行中は温度も反転するので、車に火をつけられると、火傷せずに凍傷する。あと、逆行中は酸素マスクして酸素を取り入れないと呼吸ができない。(映画でマスクしてたら、それは逆行中であることを意味する。)
この映画では未来から過去に遡って、過去を変えることが出来るようだ。
事前情報なしで鑑賞したので、?でいっぱいだ。主人公は何者なの?って所から分からなかった。鑑賞後に公式サイトを見たら、特殊部隊の人で、第3次世界大戦を防ごうとしてたらしい。第3次世界大戦の話なんてでていたっけ?と全く付いていけてない。たしかに主人公は強かったし、世界を滅ぼすような爆弾の爆発を防ごうとしてるようだった。
映画冒頭、オーケストラ会場が襲われる。武器商人のセイターがプルトニウム241を奪おうとしたらしい。このセイターが悪役で世界を滅ぼそうとしている。彼は膵臓癌で余命がなく、彼が死ぬと爆弾が爆発する?らしい。
セイターにはキャットという美人妻がいるが、何故か関係性は非常に悪い。完全に冷めきってるのに、全然別れない。キャットはヨットからセイターを落として殺そうとするくらいに仲が悪い。最終的には殺してしまう。
映画の中で、"逆行"についてちゃんと説明している。弾の入っていない銃から弾が出たり、机に落とした弾が手に戻る現象もちゃんと説明しているのだ。でも、分からない。全くわからない。(笑)
順行と逆行で挟み撃ちすることを"挟撃"と言っていた。最後の戦闘シーンでは順行の赤チームと1時間後から逆行する青チームが、多分爆弾の爆発を防ぐために敵の基地(基地かどうかもよく分からない)に攻めるのだけど、何が起きてるのかさっぱり分からない。
この映画を観る人は、余り期待しないで鑑賞した方が良いと思う。何も知らずに観ても、話は殆ど理解出来ないと思う。この映画は、理解出来ないまま家に帰って、妄想することを楽しむ映画だ。
あと、ヨットって速いんだな。
美人妻欲しい😍
物凄い映像体験
IMAXデジタルシアターで鑑賞。
毎回気合を入れてIMAXカメラで撮影してくるノーラン監督。
彼の作品を観るならIMAX一択。
オープニングのシーケンスからして物凄い迫力と臨場感で圧倒される。
今回ほぼ全編上下に黒い帯の無いIMAXの画角だったように思う。
一度では全てを理解するのは無理っぽい難解さだが普通に話の流れを追って楽しむのは問題無かった。
インセプションが大丈夫だった人はコレも大丈夫だろう。
話も面白いが主要キャストの演技も素晴らしかった。
ジョンデビッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ、ケネス・ブラナー、全員良かった。
無理矢理難解にしてるだけの陳腐なB級SFアクション
翻訳がいい加減なだけかと言う疑いが拭えないほど
終盤まで一貫して登場人物同士の会話や演出が無駄に理解しにくいです。
それでもお話の大筋は理解できるくらい安っぽいストーリーでした。
人類を滅亡させる爆弾の発動を止めなければ!
って昭和のアニメかと突っ込みたい。
IMAXじゃなくてもいいかも
超難解。時間の順行と逆行が同時?に進行する??意味分かりません。鑑賞後ネタバレレヴューを読んで始めたてあー、そういうことなのね。
ということで、分かり始めるが、それならそれで、もう少し鑑賞者に分かりやすく表現できないものか?
唐突にいろんな人物が出てきたりして、わざと分かりにくくしている感が強い。
確かに時間軸が異様な流れを繰り返すカーチェイスだったりラストのバトルなどは凄い演出の映像だがわざわざIMAXで見る程ではないかと。
難しい
映画の序盤に理解しようとしちゃダメ。感じるのよ!
的なセリフがあったような。
これは主人公に向けられたものだが、私達に向けられたものとも言える。
理解しようと頑張るとストーリーに置いてかれる。
きっと3、4回観て納得出来てるのかも。
理解したいから、もう一回観たい的な映画です。
マトリックスを観た時より混乱してるかも。
ただお金を払ってもう一回ってなるかと言われるとそうでもない。
逆行シーンに感動出来なかった
メメントやインセプションのような、観客の大部分がギリギリで追いつける難解さの匙加減から大きく逸脱してしまった印象がある。
他のレビューでも見かけるけど、肝心の逆行シーンの映像に期待したほど感動できなかったのも残念。
飛行機のシーンはCGなしだと思うとすごいなと思ったけど。
タイトルなし
一回目2020/09/19 109シネマズ川崎 IMAXレーザー
二回目2020/09/20 川崎チネチッタ RGB4Kレーザー
三回目2020/09/22 109シネマズ川崎IMAXレーザー
パンフレットを熟読し、順行・逆行の切り替えを可能にする回転ドアの設定などを理解して、二回目リベンジ。
物語の進行に合わせて、徐々に逆行状態を増やすようにしてくれているのは、監督の視聴者への配慮で、ノーラン監督に『ついてこいよ』と言われてように感じました。
「時間の逆行」の先に新しい「未来」はみえなかった…
随所にNolan監督らしい(空港での衝突シーンや最後の戦闘シーンなど)壮大なアクションや細やかな謎ときの仕掛けが散りばめられており、ワクワクする時間は多々用意されている。
周知のとおり、メインテーマである「時間の逆行」については数多くの優れた小説や映画があり、飛び抜けて優れたアイディアではない。ここで彼は彼なりの解釈を試み、結果的にNolan監督の世界観を描くことに「成功」している。
しかし、本作公開の前夜祭としてIMAXですばらしい過去作品が上映されるなか、事前の期待値をとても高く設定してしまっただけに、残念ながら過去の大作群を超えるような感動を得ることができなかった。あくまでも個人的な見解にとどまるもので、作品自体はすばらしいものであったことはきちんと書き留めておきたい。
「Inception」と比較してみると、ストーリーの複雑性に乏しく、Nolan監督お得意の連続性の破壊と再構成における驚きが殆どみられない内容だった。事実、Inceptionの観賞後ほど頭はまったく疲れなかった。
本作から制作サイドの体制が変わっているとのこと。次回作以降にも悪い影響が出ないことを希望したい。
6時間の映像を2時間半にした映画
ノーラン監督が好きになってから4年くらい経ちますがやっと新作を見れた!コロナのおかげで今までの作品も映画館で見れて2020年は最高です!
映画の内容はそこまで難しくなく見れました。ただ逆行の理屈などは難しく理解できない。(多分大学院で物理を研究とかそういう人じゃないと分からないかも)
良かった点
なんといっても映像がえげつない!なんだこれは!どーやって撮影してるのか気になる!逆行アクションにメロメロです。
悪かった点
ノーラン監督の題材は難しいため必ず説明パートがあります。今回はそれが難しすぎてそこで置いていかれた方が多いのではないでしょうか。あと、重要なシーンしかないから映像の余韻などがなく見終わったあと疲れたぁ〜ってなる。また、主人公が名もなき男なので少し感情移入しずらかったかなぁと思います。
総評
劇中でも言っているように考えるより感じてみる映画だと思いました。だから、逆行するんだぁくらいで見ましょう!(タイムトラベルじゃなくあくまで逆行だよ!)そして見るならぜひIMAXで!
瞬間移動出来ない時空組織・名もなき男の序章
ノーラン作品だとメメントよりかは観易い。
別作品「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(以下ぼく明日)の様に、ある2つの世界を繋ぐ扉があり、そこを行き来して繰り広げられる物語。
私には
ぼく明日は空間2つ、時間も2つ(ベクトルは真逆)。
扉以外は干渉はしない。
テネットは空間2つ(1つは時間に逆らう)、時間は1つ。
扉も空間も干渉する。
と言った所。
干渉する空間。時間に対する順行と逆行。
いやはや、複雑な映像設定世界だと思います。
1回目で概要を理解し、その概要にて自分なりの疑問を再確認する為、リピートまたはビデオテープ的巻き戻し逆行鑑賞したくなります。
ですので、「映画館上映向きか?」と問われれば不親切と答えざる得ない。
また、相棒ニール側の視点映画も観たくなる。
(コレ重要)
ストーリーは起承転結の起承で伏線を貼り、転でネタあかし、伏線回収見事です。
しかし、主人公が人から人へ繋がる動機が大雑把。
評価分かれてますね。
評価低くなる理由の一つは、名もなき男の視点が中心で映画を観てしまったからもある思います。
彼のこの映画での行動は、この描かれた世界を構築する上で序章に過ぎませんし。
また、奇抜なアイデアは万民に面白いとは限らない。
映画館で上映する前提を裏切ってくれる内容。
ノーランがお金を掛けた分の映画を観せてくれるのは確かです。
2回目9月24日鑑賞。
物語を理解してからの再鑑賞なら面白い。星4。
逆にこの時空を理解するヒントの様な台詞が多過ぎに思えて来た。
しかし、劇場3回目は無いかな。
時間という軸を取り入れた『詰め将棋』
観る人を選ぶとは思うが、僕は楽しめた。
というかめちゃくちゃワクワクとした気持ちで見れた。
映画に大切なのは、
ストーリーや登場人物たちの行動理由や目的〈WHY〉と、
その物語の世界観やアクションそのもの〈HOWやWHAT〉の配分率だと思っている。
一般に売れる映画、評判の良い映画というのはこの配分が絶妙なのだ。
だから、
アクションに傾きすぎて〈WHY〉が抜けると、「ストーリーが薄い」とか「キャラが薄い」だなんて言われたりする。
逆に〈HOW〉や〈WHAT〉がない、つまり世界観や物語の背景が薄いと「自分語りかよ」とか「監督のオナニー映画」なんて言われたりする。
本作『TENET』は、どちらかというと
”時間逆行””第三次世界大戦の阻止”を背景とした〈HOW、WHAT〉が目立つ映画だと思う。
時間が逆行する世界の中で行われるアクションや飛行機を爆発させたりとか、理論とか理由はよく分からないのだが、
うおー!
おぉ?!
すごぇー!!?
という見ている私たちのリアクションを生む。
時間逆行という要素を取り入れながらも、
ファンタジーとして終わらせるのでなく、
多少無理やりにでも物理に落とし込めているのは、ノーラン監督らしいと感じた。
このように『時間逆行アクション』が楽しい本作なワケだが、〈WHY〉がないわけではない。
逆に〈WHY〉の比率が高すぎるのだ。
もはや、ストーリーは一度見ただけでは理解不能。
なんで逆行するの?
なんで逆行の世界と順行の世界が並行するの?
結局、黒幕って?
そもそもなんで世界を守ることになってんの?
今日って、何日?
…etc
とまあ、映画観賞後はこんな疑問がわんさか出てくる。
こういった「?」いっぱいの映画は大体、賛否をわけ、好き嫌いもわける。
だけど、わざと観客を置いてけぼりにする、それこそノーラン監督の狙いだろう、だなんて思うとニヤリとする。
この映画を一言で言えば
『時間という軸を取り入れた詰め将棋』
未来のある起点において、
一度、出来上がってしまった盤面の形を変えるために、
あらゆる人物を前後左右に動かすだけでなく、
時間をも順行、逆行させて王将を取りに行く。
そんなお話。
映画鑑賞中、ハテナがたくさん浮かぶと思う。
分からなすぎてもしかして、怒りまで沸いてくるかもしれない。
でも、まずはこの世界観に勇気をもって飛び込んで、「なんじゃこりゃあ〜!」となるのを楽しんで欲しい。
そして、「なんであそこで、ああなったの⁈」という詰め将棋〈WHY〉を皆で解き明かそう。
映画『TENET』は、
噛めば噛むほど味が出る、
もしかして一生噛み切れない、
そんなスルメ映画です。
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