「複雑だけど薄い映画。」TENET テネット スズキさんの映画レビュー(感想・評価)
複雑だけど薄い映画。
必ずしも複雑な映画=深い映画ではありません。
設定は文句無しに面白いです。またCGを使わない映像はとにかく見応えがあります。しかし肝心のストーリーが非常に軽薄であり、言うなれば「設定を活かすためのストーリー」でしかありません。
これは『インセプション』にも同じことが言えるのですが『インセプション』には妻と夫などの人間関係の興味深さがありました。また今作と比べ鑑賞者にも優しい作りをしていました。
しかし今作は人間関係も表面的です。
主人公とニールの友情関係は悪くはありませんが、その友情を見てとることができないのが難点です。「友情関係があるという設定」にしか感じられませんでした。
総じてこの映画は、ノーラン監督がやりたいことをやった、撮りたい映像を撮っただけの映画だったのだと思います。
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