「難解でも… いや、だからこそ知的興奮。」TENET テネット アサンキリンさんの映画レビュー(感想・評価)
難解でも… いや、だからこそ知的興奮。
丁寧な説明を省いてハイテンポに突き進み置き去りにされそうな物語を追い、共存される二つの時間軸と複雑な設定に対して失いかける平衡感覚を保ち続ける。
そういったスタイルが招く混乱により、不評の多くを生んでいるように見受ける。
逆に、私も含め満足した鑑賞者はおそらく、こういった性質に知的興奮を覚えたのではないか。
上映時間中に全容把握する無謀な意気込みは放棄し、まずは翻弄されてみようと身を委ねた。つまり「鑑賞」というよりも「体験」する道を、早い段階から選んだのである。
二度観て補完する手もあるが、そうでなくとも体験の記憶は心に刻まれたのではないか。
どうせなら、是非IMAXかドルビーシネマを選ぶようお薦めしたい。
ここから余談。
インターステラーといい本作といい、ノーラン作品のヒロインが本当に美しく強く魅力的。演技が上手いというより、愛される女性を毎度起用している。
そして、特に主人公ファッションがお洒落で上品だったことも好感だった。
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