「賛否あるけど賛です」TENET テネット 90'sさんの映画レビュー(感想・評価)
賛否あるけど賛です
imaxで2回鑑賞
2回目観れば面白さ倍増、3回目で粗が気になり出す。
自分は今までノーラン作品はすべてハマらず。メメントが、まあ好きかな程度でそんなに期待しないで鑑賞。
まず、ルドウィグヨランソンの音楽がヤバい、imaxだとクラブにいるみたいに没入感半端ない。
ターミネーターみたいな今までのタイムパラドックスものとそもそも違うので先入観があるとわかりにくいでしょう。
人物描写はあえてドライに。主役に名前すらない。つまり、感情移入系作品でなく、世界観とビジュアルがメイン。ストーリーは二番目か。
ただし、部類は違えどジョンウィックと双璧をなすような2020年代を代表するアクション映画としてクラシックになる、若しくはクラシックが無理ならカルト映画として後世に残る傑作。
また、決まっている運命、自由意思などメメント以降繰り返し作られたテーマを今作も描いている。
最初は感覚に任せて観る、2回目はプラス頭を使わせて没入させる。
これハマる人はハマるよ。絶対劇場imaxで観るべき。
つか、パンフは絶対買うべき。理解度が増します。ノーランのインタビュー観て感動した。映画にこれだけ真摯に向き合って、フレッシュな作品を作ることにこだわる熱量を誰が否定できるのか。天才ていうか努力家。今までうがった見方しててすんません。
追記
3回鑑賞後の感想
どうしても解せない点を2つ
ラストの挟み撃ち作戦シーン。敵がでてこないでなにと戦ってるのか疑問。ド派手だけどアクション見せるのが下手なノーランが出てしまった。
主人公はキャットに惚れてるわけでもないのになぜそこまで救出にこだわるのか。動機が薄い。
そして、致命的な点。
逆行シーンのアクションが揉み合ってるようにしか見えない。凄いのはカーアクションシーンくらいでよく見ると逆行シーンはたいしたことない。
ノーランは凄い監督なんでしょうけどあまり持ち上げすぎもよくないという結論。
追記
町山智浩さんのムダ話動画鑑賞後
そうそう、肝心なシーンを描いていない。逆行カーチェイスシーン時のセイターのプルトニウム回収シーンがない。主人公が逆行サーブに投げ入れるシーンも約1秒。ニールは10年くらい逆行している間なにをしていたか。などなど、難解映画というか観客を騙すために監督が意図している。時間逆行の矛盾が多々ある。
非常に理解度が深まりました。
プラス、ノーランの本当の意図、作家性の理解度が深まりました。
結論、ノーランの情熱、才能は素晴らしいがやっぱり好きになれないなと思いつつ作品としてはネタに溢れ、誰かと話したくなる。こんな作品なかなかないから賛否あるけど賛です。
90'sさんへ
コメントありがとうございました!
指摘内容は百も承知なんですが…
にしては「何でこうなる?」な場面がチラホラあるし、そもそもエントロピーの逆行は同一時空に正逆2人の自分が存在しうることの説明になっていませんし…
今回は、いろいろと悩まし過ぎてw
個人的には、エントロピーは観察される結果でしかない、と偏見を持ってるのがマズいのも分かってるんですけどねぇ…