「斬新すぎる設定が仇。ノーラン監督による壮大なB級実験映画」TENET テネット ユウさんの映画レビュー(感想・評価)
斬新すぎる設定が仇。ノーラン監督による壮大なB級実験映画
期待外れのような。期待どおりのような。
ノーラン監督はメメントを観た時から大ファンで
テネットも盲信的な期待しかありませんでした。
実際、予告でも断片的に公開されていたカーチェイスや黒いマスクの謎の隊員との戦闘等はそのアイデアの「飛び方」に思わず笑ってしまうほどで、理解できないものを実感として無理矢理体感させられたような、難解な数式の解法を無理矢理頭にインストールさせられてから答えさせられるような、理解よりも先に興奮が先行してくる不可思議な感覚を映画本編で味わうことができました。
が、物語のベースの設定が時間の逆行という複雑すぎるもののため落とし所をみつけるためにあえてシナリオが単純化しているように思いました。
キャラの魅力が薄く、特に敵の大富豪の行動原理にもこじつけ感が否めずストーリーの展開を盛り下げていたように思います。
タイムループを視覚化してバトらせようぜ。っていうひとつのアイデアを成り立たせるためにシナリオの設定を極力削ぎ落としてとことん薄くした映画だなって印象でした。
そういう意味ではすごくB級くさい映画だと個人的に思いました。
コメントする