劇場公開日 2020年9月18日

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「クレイジーの極み…‼︎」TENET テネット D.oneさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0クレイジーの極み…‼︎

2020年9月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 念願の"TENET"観賞。正直、「メメント 」よりも難解で、ノーラン作品の中でも最もクレイジーで最難関の作品になるのではないかと思います。まあ、難解というか、1回の観賞ではとても処理できないほどの情報量と仕掛けをぶちまけてる、という印象でした。あと2、3度観賞すればピースが全部整理できてスッキリ消化できるのかもしれません。とにかく、1度目で全てを理解するのは困難でしょう。ネタバレになるので内容について詳しく述べるのは避けますが、本作の肝である"時間の逆行"の展開は、複雑にしすぎたが故に、その繋がりに粗があると言わざるを得ないです。良い意味でも悪い意味でも、ノーランの味というか、クセが強く滲み出ており、まさにノーランの集大成に相応しい作品になったのかと思います。
 まあ、でも過去最大級のアクションシーンをフルIMAXで堪能できたのはもう感無量です…!「ダークナイト」、「ダンケルク」でもう十分すぎるほどのクレイジーぶりを観てきたのに、それらをさらに超えるのはもう"スーパークレイジー"としか言いようがありません。ボーイングを突っ込ませて爆破したり、時間を逆行させて対抗する時間軸の人間と交差させたり、極み付きには終盤でこの逆行劇をさらに複雑に絡み合げた怒涛の突撃作戦シーンなどなど、、、見事に度肝を抜かれました。個人的に最も震えたのは、通常軸の赤チームの視点からブルーチームのビルへの砲撃が逆行再生されて崩壊したビル片が再成したのち、次の順行赤チームの砲撃がビルを破壊するあのワンシーンです。逆行と通常再生を並行させるだけでももう凄いのに、あのシーンでは順行と逆行を"爆破"でミックスさせた瞬間です!凄すぎる…

D.one
D.oneさんのコメント
2020年9月21日

-追記-
2回目観賞。"時間の逆行"で展開の繋がりに粗があると言ってしまいましたが、とんでもない!むしろ精密に構成するためにああなっていたんですね。ああならなきゃむしろダメなんです。極めて忠実に、超精密に繋げていることにようやく気づきました。本作は、展開の仕上がりを上手く構築できずにいつもの悪いクセが出てしまった物ではなく、ついに彼の唯一の欠点を克服した完全態でした!

D.one