劇場公開日 2020年9月18日

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「「THE・ノーラン監督作品」という感じ」TENET テネット クラララムボンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「THE・ノーラン監督作品」という感じ

2020年9月19日
PCから投稿

とうとうこのギミックにたどりついたか……!というギミック。
ノーラン監督ならいつかはやるだろうな、と思ったけど、実際に出来上がったものを見たら想像以上に素晴らしくて満点!って感じでした。

ノーラン監督作品は「今何が起きているのかわからない」という人もいますが、基本的には物語のスタートとゴールは簡単になっていて、中盤何が起きるかはわからなくても、終盤どうなるかはわかりやすいといえます。
「何がどうなってゴールするのか」をわかりにくくするために四次元的存在とか記憶とか夢とかそういうギミックをおいているんでしょう。

今回の仕掛けは、そういう意味では「スタートとゴール」がこれ以上なくわかりやすくなる仕掛け。
一方で、その中間はめちゃくちゃ解らなくなる仕掛けです。
とはいえ、スタートとゴールがわかりやすく、またわかりやすくなるための舞台装置も数あるため、意外に「話を全く追えない!」って人はいないと思います。

また、その舞台装置のおかげで「こんなの初めて見た!」という映像が次々に出てくるし、
ギミックにたいする科学的な考証も確りやったうえでエンタメ的に面白くしているんですよね。
ノーラン監督ってメメントやダークナイト辺りで苦手意識があったんですが、ここ最近のエンタメに振り切っている作品は好きです。

オーシャンズっぽかったり007っぽかったりと、ジャンルごとのツボもしっかり押さえているし、「このギミック使うなら当然あるよね?」と期待したアレコレもしっかり回収していってくれたので満足です。
ただ、ノーラン監督って「よくよくストーリーを追ってみると、ご都合だったり、バカがいたりする」というのがあるんですけど、今回は比較的スタートゴールの関係性がわかりやすかったせいか、初見でもそれが見えてしまっていた部分があります。

ノーラン監督作品の楽しみ方ってその辺気にせず監督に身を委ねて「なんかわかんないけどすげぇ!」ってなることだと思うんですが、わかってしまったので☆をひとつ減らし。

今後考察いっぱい出てくると思うので、「さすがに深読みしすぎでは汗」というような考察含め楽しむことができるのもノーラン監督作品の面白さですね。

クラララムボン