「2回目視聴(未来人視点)が本番です」TENET テネット Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
2回目視聴(未来人視点)が本番です
今年一番の期待作のノーラン最新作
初日最終のIMAXレイトショーで観賞
満席でしたね
感想としては
相変わらずノーラン特有の初見では理解が追いつかない
むずがゆい余韻を味あわされましたが…
だいたいは理解でき考え抜かれた映像表現は
相変わらず楽しかったです
ストーリーはシンプルなものです
ただ米国のスパイ組織が世界の終わりを防ぐために
活躍するストーリーです
主人公は「名も無き男」
名前を与えられないことがキャラクターに感情移入
することよりまず仕組みを理解してくれという
示唆を与えています
その世界の終わりをもたらす武器商人セイターの
特殊な能力をまずスパイ組織のスタッフが
「時間を逆行する弾丸」から説明しますが
個人的にはこのつかみが失敗だったと思います
要はセイターは未来から時間を戻って行動できるため
いろいろな事を成功させて来た男なのです
逆行して来ると言うことは順行してる普通の人からは
反対に動いて見えるわけですがそれで説明した方が
判りやすかったと思います
終盤にそのシーンが来るのでそこで仕組みは
だいたいわかるんですが
序盤で理解がつまづいているので
伏線とかが印象薄くなってしまってました
まあ2回見に行けって事なんでしょうけどw
↓↓↓で2回目観に行ったあとの印象↓↓↓
2回目観ると初回に話の理解に必死で見えてなかった
金塊をくすねる工作員や折れるキーピック
などの序盤の小ネタや伏線気がつき
ニールが名無し男をすでに知り尽くしているぷり
セイターがどんなに未来から見て対策しても
キャットが予想外の行動を取って対応できないこと
など楽しめました
2回目が本番と想定して作ってあるとしか思えません
映画館を2倍稼がせる偉い監督ですわ
↑↑↑追記おわり↑↑↑
インセプション等もそうでしたがこの監督の映画は
①登場人物は決められたとおりに動作し
②映画の大前提ルールに則って事態が変化し
③映画の演出として理屈(大前提ルール)を越えたビジュアルが起こる
と緩く考えればいいのかなと思います
ノーラン監督はこれらを判ってもらうのが視聴1回きりで
と思っていないんだと思います
それにキャラに感情移入出来ない、魅力が無い
という意見は将棋の駒に感情を求めるような
ものでお門違いなのだと思います
それを投げてると怒る人もいるでしょうが
気軽にコミュニティができる時代には合っていると思う
そもそもジブリの宮崎駿監督作品も同じくらい
わけわからん映画ばかりで後に解釈されていってる
わけですし
磯野家の謎みたいに飲み会のネタで揚げ足を取る程度だった時代から進歩したものです
言い替えれば今の日本映画は1度見ただけで
理解してもらわなければならないという
強迫観念にかられすぎじゃないですかね