「脳が理解を拒絶する!」TENET テネット おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
脳が理解を拒絶する!
公開をずっと楽しみにしていた、クリストファー・ノーラン監督の最新作。はじめから理解が難しいのは覚悟の上で、どんな世界を描いてくれるのかと、期待と不安を胸に公開初日に劇場へ足を運びました。そして、その期待と不安に見事に応えてくれる作品でした。もう何ですかこれは!最後まで観ても半分も理解できなかったと、自信をもって言えるほどの難解さでした。
冒頭からいきなり緊迫感MAXの展開で、「この武装集団の正体と目的は?」「武装集団に紛れていたのは誰?」と期待値を大いに上げてくれました。が!それも束の間、すぐに展開についていけなくなって振り落とされました。その後も、必死で食らいつこうとするも、さらなる勢いで振り落としにかかられ、理解が全く追いつきません。誰が何のために何をしているのか、それさえあやふやなまま、物語は暴走機関車のごとく突き進みます。
中盤以降、この不思議な逆行の謎が明かされ、微かな光明が見え、「そうだったのか。ということは…」と考えはじめたとたん、またもや迷宮に追い込まれました。もはや脳が理解することを拒絶しようとしているとしか思えませんでした。
と、ここで思考停止。折しもクライマックスに向けて派手なアクションシーンが展開されはじめたこともあり、深く考えるのをやめ、不思議な逆行の世界の映像を楽しむことにシフトチェンジしました。その結果、ラストは、「理由はわからないけど、目的が果たされてよかったね」という小学生並みの感想で終幕。
鑑賞後、「これは、おもしろかったというのだろうか? いや、おもしろかったに違いない!」と自問自答。ただ、その真のおもしろさを理解するまでに、あと何回観ればいいのでしょうか…。恐るべし、クリストファー・ノーラン!
コメントありがとうございます!そうですね。でも、映画はまず楽しむものかとも思うので、脳みそが拒否したら「はーい!」でいいかと思いまーす!「脳が理解を拒絶する」って、とってもいいスローガンというか、好きです。
おじゃるさん、いつもお世話になっております。
次回観る機会があれば、誰が後ろ向きに歩いているかに注目してみたいと思ってます。
でも面白かったです。
特に「自分、そんなとこにおったんか?!」みたいな繰り返し映像が・・・