「"ノーラン"というジャンルの最高到達点」TENET テネット 柴左近さんの映画レビュー(感想・評価)
"ノーラン"というジャンルの最高到達点
未来からのメッセージ、贈り物というのは割と使い古されたテーマだ。「ターミネーター」しかり、「ドラえもん」しかり…。
しかし、流石はクリストファー・ノーラン。これまで作られてきた作品とは全く違う「時間逆行」というアプローチでこの壮大なテーマに挑み、今回も「ダークナイト」や「インターステラー」の様に、観客を虜にし、観客を置き去りにしていった…。
時系列をバラバラに映していく「フォロウィング」、結末から始まり最初に戻っていく「メメント」、現実世界の常識が通用しない夢の中で活躍する「インセプション」、三つの時系列を同時進行し一つに収束させる「ダンケルク」などなど、ノーランのこれまでの作品はこの「テネット」を撮るための伏線だったのではないかと思えてくる。
ノーランが「テネット」を撮るのは必然なことだったのかもしれない…
しかし、映画史において「テネット」の出現は必然ではなく、ノーランが映画監督になっていなかったら生まれなかった傑作だ。他の誰にも作れない唯一無二の映画だ。
内容についてはとやかく言う必要はない。全てが蛇足になってしまう。
観てない人、ちょっとでも興味がある人は是非、劇場で!できればIMAXで!こんな体験中々できるものじゃない!