「【映像の魔術師、時間までをも視覚化する! 脳内フル回転で観る映画でもある。2時間半の長さを全く感じることなく、CN監督の世界に没入できる作品でもある。】」TENET テネット NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【映像の魔術師、時間までをも視覚化する! 脳内フル回転で観る映画でもある。2時間半の長さを全く感じることなく、CN監督の世界に没入できる作品でもある。】
ー 今作品は、クリストファー・ノーラン監督作品の中でも、「メメント」と双璧の難解な作品であると思う。
観客に示される情報は極めて少なく、(主人公と思われる黒人男性は、最後まで名前が出て来ない・・。) 更に”アルゴリズム”という物語のキーになる単語が、通常使う意味とは意図的に、やや違う使われ方をしている点でも、それは示されている。ー
■では、今作品2時間半全く飽きずに大画面に没入出来たのは何故なのか?
1.序盤、ものすごいスピードで描かれていく各シーンが、
ーそして、それは一見繋がりがなく、シーンの急な切り替わりに戸惑うことも屡だ。- 後半、再度、別の角度から描かれる事で、”ああ・・、あれは逆行していたシーンだったのか・・”とか、”成程、そこと繋がっていたのか・・”など、まるでなかなか嵌らなかったピースを嵌めていくような感覚を得ることが出来るからであろう。
クリストファー・ノーラン監督との知恵比べを勝手にしている気分になるのである。
2.数少ない情報の中、徐々に物語の骨格が見え始め、時間の順行、逆行の仕組み”回転ドア:アルゴリズム装置”の意味を朧気ながら理解しはじめたところで、物語の時空を超えた壮大さに気付くところもその理由の一つである。
3.そして、何より、時間の順行、逆行を同時に視覚化した砂漠での大規模な戦闘シーンを始めとした、”どのように撮影したのか!”という唯一無二のシーンの数々の迫力が物凄く、ある種、脳内が”無”の状態になりつつも、唯々クリストファー・ノーラン監督が描き出す映像を大画面で見ることができる悦楽感に浸れるところであろう。
<この後、多くの方々によってストーリーについては、様々な解釈がされるであろう。
が、一度目の鑑賞では、余り構えることなく、稀代の天才クリストファー・ノーラン監督が作り出した世界を大スクリーンで観る、僥倖感を味わうことが出来た。
又、自分なりに各シーンや登場人物たちの相関関係や、映画では”敢えて”描かれなった未来について、鑑賞後に考えるという事も楽しい事であろうと思う。
そして、(多分近いうちに)二度目が観たくなり、劇場に足を運び、新たな発見や確認ををするのであろう。
この作品は、難解ではあるが、そういった映画の楽しみが詰まった作品であると思う。
出なければ、二時間半、全く飽きる事無く大画面に没入することはできないであろう。
この作品は、それだけの価値があるとも私は思いました。>
■補足
・"サー"ケネス・ブラナーが演じたセイターと、エリザベス・デビッキ演じた彼の妻であり、絵画の鑑定士でもあるキャットとの関係性が、この作品に与えた深みは貴重であるとも思いました。
<2020年9月13日 IMAXにて鑑賞>
NOBUさんへ
今日は、1人フィルムマラソン(5本予定)でノーランはお休み。明日、IMAXで再戦ですw
オペラハウスに現れたニールが"逆行弾"を使っている(?)とこからして、えっ?なんですよね。次は仕込まれた謎探しをして来ます!
NOBUさんへ。
『メメント』を初めて観たときの衝撃と同じ感覚でした。
まぁ、メメントは記憶力との戦いでもあったので、冷静になって考え直したら、本筋はけっこうつまらなかったりしましたよね~
本作も物理学的なうんちくを取り去ってみれば、大したことないプロットのように思えました・・・