「現国のテストなら赤点」死神遣いの事件帖 傀儡夜曲 るきさんの映画レビュー(感想・評価)
現国のテストなら赤点
十蘭人形も、人型十蘭も、十蘭化のビジュアルも、格好良さに可愛さが見え隠れしてて良かった!
ストーリーはもちろん、世界観もキャラクターの設定もビジュアルもいい。そんな中でなぜ3.0という評価をつけなくてはならないのか。
自分としても大変不本意かつ悲しい鑑賞の感想となった。
いちばんの問題は2時間という上映時間の縛りだろうと思った。
例えば長期休みに作文課題として原稿用紙3枚と言い渡されたとき、普通の人なら4,5枚、多くとも6枚程度で初稿を書き上げ、推敲して3枚前後に収めるだろう。
そんな中、この作品は3枚の課題に300枚の原稿を使っているように見える。バックボーンが重厚すぎるのだ。
背後で様々な広く深い設定が練られていることは映画の鑑賞中にもひしひしと感じられたし、実際この作品はムビ×ステであるから、夏の舞台でさらなる広がりを持った良作となるのだろう。
本当の本当に、ストーリーもどこも良い作品だった。
ただ自分には、300枚の原稿を要約したにしては切り捨てるところがずれているように見えてしまっただけなのだ。推測であるが、話の本筋が大きくなりすぎたので起承転結に要点を絞り、なおかつ出演キャラクターが「立つ」ストーリーに2時間で納めようとしたら想像以上にボリュームがあり、“削ったところから削ってしまった”のだろうな、と。
舞台版のストーリー構成に期待するばかりである。
(ひとつだけ文句を言うとすれば、主演の役者の「見栄切り」が長すぎると感じられたので、それこそニチアサくらいのテンポ感で作ってほしかったということだけだ)
お藤役の鈴木絢音さんの声がとてもかわいらしくて、 ザ・ヒロイン だったのでこれからもおひいさんの役どころを演じてほしいと思った。