劇場公開日 2021年6月4日

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「終わりの始まり」るろうに剣心 最終章 The Beginning サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0終わりの始まり

2021年6月5日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

単純

寝られる

るろうに剣心、これにてついに完結です。
前回の「The Final」はあの作品自体はそこそこだったものの、過去3つと比べると面白さが減少しており正直残念だった。今作のThe Beginningは物語の始まりなので、少し不安は残るが予告を見た感じだと前回より面白そう。汚名返上となるか...とそこそこ高めの期待。

えー、そうか〜。そうなるよね、やっぱり。
ストーリー自体は中々いいんだけど、コレジャナイ感が凄い。つまるつまらないどっちつかず。

時は幕末。明治では逆刃刀を持ち歩いている緋村剣心(佐藤健)だが、彼は当時人斬り抜刀斎として名を馳せ恐れられていた。そんなある日、彼は店で出会った雪代巴(有村架純)に徐々に心許すようになっていった。

演者はもう言うまでもないレベルです。
佐藤健といえば緋村剣心、緋村剣心といえば佐藤健と言えるほど根付いた気がする。10年間通して緋村剣心を演じてきた佐藤健には大きな拍手を送りたい。ほんとうに素晴らしい演技をありがとう。
そして今作ヒロイン・雪代巴役の有村架純。
彼女の演技力の高さはここでも爆発。体や態度、話し方ではなく、細かな表情で訴える演技で見る人を魅了させ、かなりグッとくる。憑依してます

本作一番の見どころは「はじまり」ということ。
この作品を見てから今までの映画を振り返ってみると、かなり見方が変わって緋村剣心という男に感情移入出来る。最終回で一番初め。あるあるだけど、実写版るろうに剣心が好きだからこそすごく染みるし、幸せについて深く考えさせられる。そういう面でも、本作品は序章だが過去作は見ておいた方がいいのかもしれない。

そして、映像と音楽の妙。
雪が降り積もる中で血が飛び散る、というのは「ミスミソウ」を思い出した。同じぐらい重みがあるけどね。
緋村剣心が人斬り抜刀斎として剣を振るう姿はカッコいいが、寂しさも感じ取られる。そこでピッタリの音楽が流れ、より空気を張りつめている。
流石大ヒット映画シリーズ。制作陣の本気が感じられます。

しかし、映画館じゃなくても良くね?と思った。
前作のFinalはストーリーは詰め込みすぎていたものの、アクションがド派手で戦闘シーンも多かったのでこれは映画館でなくては...と思っていたのだが、今作は戦闘シーンがかなり少ない。これはこれでいい良いんだけど、アニメ版と同じようにOVAという形でAmazonプライムとかNetflixで配信した方が良かったのでは...と思ってしまった。

大迫力とか大興奮とかは無い。
るろうに剣心と言えば、日本映画最高級のアクションシーンとド派手な演出、というのが魅力だろう。
少なくとも、私はこれを求めていた。
何度も言うように、これはこれでいい。内容にケチをつける訳では無い。しかし、これで終了は流石に呆気ない。京都大火編のような緊迫感と迫力が欲しかった。大きなスクリーンで私はそれを見たかった。

その上、所々で眠たくなってしまう。
全体的にかなり静かで何も話さない、何も動きがないというシーンがある為、感情の変化を示すため必要な演出だろうけど、少し退屈してしまった。
話の結末もラストシーンも分かっているので、2時間を通して見方は変わるが驚くことは無い。
あと1つ新たな何かあって欲しかった。

レビュー全体の平均評価はかなり高めなので、このようにレビューするのは少し身構えてしまいますが、一意見として受け止めていただければ幸いです。

サプライズ