「今までの流れに怯まず、しっかりと追憶編を描いてくれた。」るろうに剣心 最終章 The Beginning さこんさんの映画レビュー(感想・評価)
今までの流れに怯まず、しっかりと追憶編を描いてくれた。
まず初めに、今までの「るろうに剣心」シリーズはとにかくド派手なエンタメ作品として描かれて来たよね。
皆、当然今回の作品もそういったものがくると思っているはず。しかし今作は剣心の人斬りとしての苦悩と葛藤の日々、巴という存在についてのドラマをじっくりと描き切ってくれた。とりあえずはそこに称賛を送りたい。(裏を返せば、今までのようなアクション超大作を期待して見に来た人には少々物足りなさを感じるかもしれない)
とはいえ決して地味というわけではない。斬り合いのシーンはしっかりと緊張感の伝わるものとなっており、今までとは違う、血の飛び交う映像も新鮮で見応えを感じた。
しかし「そこ削るか」といったところは少なからずあり、(ここからは人によっては「「「ネタバレ」」」と捉える人もいるかもしれないため、一切の前情報もなく観たいという人は見ないで下さい。)
特に白梅香に関する描写が一切なく、正直そこがかなり心に引っ掛かってしまった。『巴=白梅香の香り』といっても過言ではないと思っていたので正直かなり残念。原作では狂い始めた剣心の目を覚ますきっかけになる重要アイテムとして描かれていたのだが…
しかし全体的にはよく纏まっていたとは思う。
自分の最終的な感想としては、原作以上、OVA未満といったところに落ち着いた。(勿論それぞれ良さがあり、全て愛していますが)
最後にどうしても伝えておきたいこと。それは剣心が巴を失ってからエンディングまで一瞬でしたが、実はあの間に4年もの月日が流れてるということ。あんなボロボロのメンタルの状態で4年間も剣心は戦い続けたということを、忘れないでください。
白梅香にこだわられるのでしたら、4DXでの鑑賞をおすすめします。香りの演出があります。
原作ファンなので、内容もわかっているから泣かないだろうと思っていたのに、白梅香の香りのせいで泣いてしまいました。