「そして、伝説へ・・・」るろうに剣心 最終章 The Beginning pipiさんの映画レビュー(感想・評価)
そして、伝説へ・・・
何から書こう・・・
真面目な話からか、おちゃらけネタ話からか・・・
かなり迷った末に、本作のイメージに合わせてシリアスモードからいく事にする。
これは「終わり」ではない。
本作こそが「映画 るろうに剣心」という映画史に残る作品の「伝説の始まり」である。
「アクション映画として」
「時代劇映画として」
「漫画原作の実写化映画として」
るろうに剣心という作品は、確実に21世紀初頭の邦画を代表する貴重な位置を占めたと思う。
アクション映画としてはどうか?
5部作のうち、最終章ファイナル以外は基本的にCGを使っていない。
ハリウッドならガンアクションやカーアクション、香港ならカンフーアクションというお家芸があるが、
「日本刀のチャンバラアクション」だけは我が国が負けるわけにいかない。
「アクションの格好良さ」と「アクション部分の難易度」において、世界一流作品にもタメを張れる「世界に誇るサムライアクション」が誕生したと思う。
(あ。本作「最終章beginning」のみではなく、シリーズ全体への評になってますね。ご容赦!)
時代劇映画としてはどうか?
1〜3作目に対して「これは殺陣ではなく日本刀アクションだ」という評をしばしば見かけるが、21世紀の殺陣として「飛天御剣流の殺陣」というものが誕生して構わないと思う。殺陣というものは決して実践的な武道の型ではなく、あくまでも「芝居においていかに格闘を魅力的に魅せるか」という技術なのだから。
私は2000年以降、あまり時代劇をまともに見なかった。なぜなら、撮影機材の向上で映像の粗が目立つ為か、低予算化の為か、現代風の台詞回しの為か、NHK大河を含むいずれもが「まるで時代劇に見えなかった」からだ。
しかし「るろうに剣心」は時代劇としても十二分に面白かった。
21世紀と過去の名作時代劇を繋ぐ鍵が必ずや本作の中にあると信ずる。
漫画原作の実写化としてはどうか?
「漫画」というものに並々ならぬ思い入れがある自分としては、漫画原作のアニメ化、ましてや実写化というものはどちらかと言えば毛嫌いしてきた。
しかし、本作は原作への敬意を失うことなく「パラレルワールド的存在」として原作に匹敵するクォリティで、似て非なる新たな「創造」をしてくれた。
これからの未来において「漫画原作を実写化する際の一つの手本」となっていくだろう。
以上をもって「映画 るろうに剣心」完成への祝辞としたい。
では、ここからは本作の感想を駆け足で。
まず、小五郎〜! あ〜んど晋作〜!
イメージ、ぴったり過ぎ!
登場の瞬間に桂小五郎、高杉晋作だとすぐにわかりました。これだけですでにワクワクしてしまいますw
高橋一生さん、安藤 政信さん、あまり知りませんでしたが、今後チェックしていきますね。
江口斎藤は、、、やっぱり斎藤というより土方だなぁ。存在感あり過ぎるw
襲撃前、武田観柳斎の名前をわざわざ筆頭で呼ばわったのは原作ファンを意識してか?
池田屋。ついつい「階段落ち」を期待してしまうが流石にそれはない。
と、思ったら「2階の窓から大量に」落ちたよ〜人が!牙突で・・・w
それって階段落ちより大変では?(汗)
天然理心流の天才VS飛天御剣流、見応えありました。
そして、本作はアクション映画ではなく「非常に美しく、そして哀しいラブロマンス映画」でありました・・・。
最後におちゃらけパートを・・・
抜刀斎〜〜〜!!!
いやさ、佐藤健〜〜〜!!!
やってくれやがったな?この野郎!
グランドフィナーレで
「北村さんの手元のお茶碗に注目して下さい」とか言うからぁ!
感動のクライマックスシーンに突入した辺りで、ハッと
「え?もうこの辺りからクライマックス?って事は、まさか「お茶碗」見逃した?」
「いや、もしかしたらこの後、お茶碗シーンあるかもしれない」
「やっぱり見逃したかなぁ!きっと、あのシーンだっただろうなぁ。あぁ、お茶碗、お茶碗、お茶碗・・・」とだね!
もうさ、雪が降り出した辺りからずーっとだよ?「お茶碗」が気になって、クライマックスシーンに没入出来ないのよ?
一所懸命、世界観に入り込もうとしても、頭の片隅にお茶碗、あるの。
おそらく、あの時間、日本各地で私と同じ思いを共有した人は2桁じゃ収まらないはずだ・・・。
エンドロール、呆然と「お茶碗」って思いながら見つめたよ・・・。
健の馬鹿野郎〜〜〜!
あぁ、こーゆー男だって知ってたけどね。
これだから、頭が良い悪戯っ子ってのは油断ならないよ。
(何の話か知りたい人は、you tubuに早速上がってますから「るろうに剣心グランドフィナーレ」で検索して下され)
「お茶碗」を見に、IMAXのある劇場にでも足を伸ばすか、VOD落ちまで待つか。頭の痛い悩みを残してくれた劇場公開初日でありましたw
本当に本気の本音を言うとね。
5作品通じて言いたいことは山ほどあるんだ、原作尊重の立場からは。
けど、まぁ、ここは野暮を言わずに飲み込んでおく。
秀逸なレビューを挙げて下さっている原作ファンの方々も複数おられるので、そちらに任せたいと思う。
何はともあれ、10年をかけた大作「るろうに剣心」の終幕、大変お疲れ様でした。
映画史に残る伝説的名作となっていく道の第一歩が、今日、確実に刻まれたと思います。
本作制作に関わって下さったすべての皆様、本当にありがとうございました。
※6月7日追記
IMAXでリベンジしてきました。
お茶碗、3カットありました(爆)
初見よりも胸に沁み、涙腺の緩むシーンもありました。(やはり初見時は脳内お茶碗だったか、、、)
アクション、そんなに少ないかな?と意識して観てみると、決してそんな事はなく、良いペースで良質なアクションシーンが挿入されていると思われました。
エンドロール時、スマホをずーっと弄り続けている爺様がおられ、スマホ画面の光が眼を射て非常に不快でありました。
大阪万博公園EXPOCITY 109、15:30の回。エグゼクティブシート下段左側席にいた貴方だよ?
場内点灯まで待てないなら退席してくれ。真剣にエンドロールを読んでいる鑑賞客もいるのだから・・・
pipiさんへ
映像表現も気になるBloodです。Beginningでは緋村が宿屋で手を洗うシーンがあるじゃないですか。朝起きて手を洗う緋村。日常の1シーンです。人斬りの後も同じ様に手を洗う姿は、人斬りが緋村の日常である事を示唆。そこに手拭いを持って現れる巴。あなたは彼を斬った後も、ここでそうやって手を洗ったのですね?みたいなシーンですけど、こう言うのが刺さるぅw
pipiさん、丁寧な解説ありがとうございます。
中学のとき、このくらい教えてくれる先生がいたなら、俺も社会が好きになっていたことでしょう。
高校の時、日本史で赤点取ったのは俺だけでした。
世界史は好きだったんですけどね・・・
pipiさん、お茶碗がわかりませ~ん。
俺なんて、これって本当に北村一輝?って目で見てたほどの未熟者ですから、何にもわかりません・・・
「親不孝」と書かれた湯呑は印象に残ってるんですが、それは昨日見た別の映画でしたw
pipi様、返信ありがとうございました。そうですね、お骨は回収してあげて欲しいです。
安藤政信さんは色気がある方ですね。映画では「さくらん」しか記憶にありませんが、とても男前でした。高橋一生さんはめちゃくちゃ作品が多いですが、最近で好評だったのは、「スパイの妻」、ドラマだと「岸辺露伴は動かない」(荒木飛呂彦の漫画をNHKがドラマ化。全3話)や「天国と地獄~サイコな二人」(TBS)ですね。
おはようございます。
流石に爆睡しました・・。
”高橋一生さん、安藤 政信さん、あまり知りませんでしたが・・”
私、安藤さん好きなんですよね。映画ではありませんが、私が偏愛する「京都人の密かな愉しみ」”月夜の告白”の中のオムニバスドラマの“月待ちの笛”が好きでして・・。(何度観た事か・・、で娘に”又観てるの?と呆れられる・・。)
で、”グランドフィナーレで
「北村さんの手元のお茶碗に注目して下さい」とか言うからぁ!”
私は舞台挨拶を観なかったので、”北村さんの手元のお茶碗”全く気になりませんでした‥。そんなにアップで映っていたかなあ・・。私も記憶にないですよ。