劇場版ごん GON, THE LITTLE FOXのレビュー・感想・評価
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名作に新たな息吹
わずか28分で2時間分の感動をもらった。木彫りの人形によるストップモーションの生命の躍動感。その生命が失われる瞬間があまりにも悲しい。生命のやり取りは生きる上で避けられないという残酷な教訓を教える原作と、手彫りの人形を1コマ1コマ動きをつけて生命を再現するアニメーションとすごく相性が良いと思った。
兵十を演じた入野自由の芝居も素晴らしかった。ナイーブな若者役が上手い人だけど、そのナイーブさが生命を奪うことの抵抗感につながっていた。「ごん、お前だったのか」の抑揚の効いた芝居がすごく良い。諦めたような、感情が一つ死んだような、でも悲しみがこもっていた。八代健志監督の作品をもっと見てみたいと思った。
正統派なストーリー展開。わかっちゃあ、いるけど、結局は泣かされる…
『HIDARI』パイロット版の前座で同時上映。
全く知らなかった作品であったが、素晴らしいクオリティのストップ・モーション。
但し、ストーリーは、思ったとおりに進み、思ったとおりに終わってしまう。
たぶん子供向けに作ったのだろうが、あれだけの技術力と表現力があるのだから、大人が観ても唸ってしまうような展開にしても良かったとは思う。
まあ、ああいう、ある種オーセンティックな話で完成させるというのが、最初からの基本コンセプトだったのだろう。
そういった意味では、しっかり成功しているので、結局は、まんまと涙腺は刺激されてしまうのだ。
神様なんて、いるわけないじゃん。
2023年1月8日
劇場版 #ごん GON, THE LITTLE FOX(2019年)鑑賞
#新美南吉 の #ごんぎつね をストップモーションアニメで撮った作品でした
日本の原風景が美しかった
特に彼岸花
キレイだな
【”彼岸花、そしてごんの償い・・。”ちょっと、悪戯をしただけだったのに・・。誰もが知っている優しく、哀しき話を、美しき日本の情景を背景に描き出したストップモーション映画。】
ー 今作が斬新なのは、ごんの目線からは、彼は二足歩行をする人形として、人の言葉も話し、兵十の目線からは、ごんは野生のキツネに見える視点の使い訳であろう。
それは、動物と人間の垣根を暗喩させ、起こる悲劇を予感させる。
だが、今作が多くの人の心を打つのは、ごんの後悔と優しさと、兵十の怒りと真実を知った時の後悔が交錯した時に、ごんと兵十の心が繋がるところであろう。-
■ごんは、新見南吉の代表作であることは、誰もが知っているが、新見南吉は生前は決して恵まれた環境で育った訳ではない。そして、29歳という若さで病没している。
愛知県半田市には、新見南吉記念館がある。
お近くに来た際には、お寄り頂けると、彼の人となりが良く分かると思います。
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半田市の隣の安城市で、新見南吉の足跡を辿り、西尾市(旧幡豆町)で、安くて美味しい鰻を食すると、心と身体が満たされますよ。
以上、愛知県の観光宣伝でした・・。愛知県の西三河地区は、良い所なんです・・。
やさしい人間ときつね
原作も読んでみると兵十が普通の大人の人間として描かれているが、映画では優しすぎる人間として表現されている。ストップモーションアニメでこれもまた人が最も優しくなれる秋をふんだんに描いている。ごんもいたずら好きではあるが兵十を慰めようと毎日栗やきのこを届ける。ほんの少しすれ違いのタイミングがずれていたら、この物語はハッピーエンドだった。こんなにも優しさに包まれた世界なのに、分断というのは残酷である。
あっという間に物語は終わったが、誰も顔をあげなかった。大人が嗚咽して立ち上がれないのだった。
川面はどうやってるんですか先生!
吉祥寺アップリンクにて。ギャラリースペースの作業場&撮影再現展示が最高でした。
同じストップモーションでKUBOがあったけど、あれは凄いけどなんかなあと思った理由が少しわかった気がする。
動作と動作の間にある空気感に温度がある、というか。隙間だから、絵面上見えてない部分なんだけど、画面から滲み出る手間の気配、というか。
百姓のつぎはぎだらけの服とか、彼岸花とか、頭部の木彫とか、この映画、手間しかない。
そしてどの手間にも制作者の愛が感じられる、素敵な作品でした。
アニメーションのあり方に一石を投じた作品
日本のアニメはまず女子高校生ネタが多くありきたり作品ばかり。そんなアニメに一石を投じたのがこの劇場版ごんである。新美南吉のごんぎつねを新しい解釈でストップモーションアニメーション。一見すると昔のNHK教育の人形劇アニメっぽいかなと思いつつも全くそんな事はなく、アートの要素もあり昔、子供の時に国語の授業で習ったごんぎつねを思い出させた。今のこのご時世だからこそこのごんを再確認できただけでも良かった。もう一度新美南吉ごんぎつねを読んでみたくなったアニメーションだった。30分で楽しめるのもまたいい。ぜひ、親子で観てほしいアニメーション映画である。マイナス0.5は日本のアニメしっかりしろと叱咤をこめてマイナスにしたが、日本の童話の名作を再解釈してアートアニメ映画にしたのは素晴らしく4.8点です。
趣きぶかし。
日本の元風景にストップモーションアニメの趣きがここちよい。こぎつねの表情も人間の表情もゆたか。夜空も夕焼けもきれい。忘れていたけどゴンぎつねの話ってこんな切なかったんだと知ったのでした。
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