「オリヴィアの可愛さと脚本の粗さで評価が紛糾した」ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
オリヴィアの可愛さと脚本の粗さで評価が紛糾した
タイムスリップとパラレルワールドは全く別物である。一般的にタイムスリップは過去に戻った人間が起こした行動で現在・未来が変わってしまうのに対して、パラレルワールドは別世界なのでそれぞれの世界への影響は少ない。厳密に言えば過去を変えた現在は以前と同じ現在とは言えないのでパラレルワールド的な存在になるのだが。
ではパラレルワールドにいる妻(地位も記憶も変わってしまっている)はその人本人と言えるのか。微妙なところだが、それでも恋に落ちてしまうのが映画ってやつ。有名なピアニストになっていたオリヴィアは、ラファエルの知っているオリヴィアとはかなり違う。好きなお菓子とかコーヒーへのこだわりとか。心が折れてしまいそうなシチュエーションだ。それでもあの手この手で彼女に近づこうとする姿はたくましい。真っ直ぐな愛の姿に見える。
結局パラレルワールドからどうやって戻るのかとか、最後どうするってところは結構粗いんだけど、なんか強引にハッピーエンドに持っていかれた。オリヴィア役のジョセフィーヌ・ジャピがとにかくかわいいからごまかされた感じ(去年の予告を観てから心待ちにしていただけのことはある)。途中で挟まれる思い出のシーンがとにかくかわいくて幸せそうなんだ。あれがこの映画の評価のベースになった。あれだけでかなり高くなった。
でも、ラファエルの決断ってどうなんだろ。ピアニストとして活躍してる彼女を尊重している感じだが、実は結構自分勝手な決断だ。元の世界のオリヴィアとは別人だから彼が元の世界に戻ってもなんの影響もない気がするし、むしろ元の世界に自分が戻るのが彼の望んだことにつながるんじゃないのか。元の世界に戻らず身を引こうとする姿は自分に酔ってるだけにも見えてしまった。しかも、彼女がやっぱりあなたのことが好き!ってなったらオールOKなのかい!なかなか複雑な気持ちになる結末だった。タイムスリップとパラレルワールドは違う(大事だから2回言ってみた)。