「普通の女性の勇気ある行動」オフィシャル・シークレット ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)
普通の女性の勇気ある行動
クリックして本文を読む
キャサリン・ガン事件といわれる実話。英政府通信本部で中国語通訳として働く主人公が、業務で受信した極秘メールが、アメリカがイラク侵攻を正当化し実行するための国連安保理メンバーへの盗聴の要請という内容であることに気づく。どうしても見過ごせないと考え、悩んだ末にマスコミに人脈を持つ活動家の友達にメールを託す。数か月後、2人の記者を経て「オブザーバー」紙に記事が掲載された。すると当然、職場で情報漏洩をした犯人探しが始まり、主人公の同僚が疑われる。いてもたってもいられなくなって、自分がやったと名乗り出て、連行される。国選弁護士から、人権組織の弁護士を紹介され、相談に行くが、相談すること自体が公務機密法違反であると言われてしまう。また、移民である夫が母国に強制送還され、飛行機に乗せられる直前で救出に間に合った。一方、記事を掲載した記者は、メール文がアメリカ英語ではない点(事務職員が校正してしまった)などから真偽を疑われ、バッシングを受ける。主人公は裁判所で初めて記者と対面し、裁判では予想外に検察官が起訴の取り下げを告げた。
キーラ・ナイトレイ演じるキャサリン・ガンさんは当時30歳で、子ども時代の中国在住経験を生かして公的機関で働く、少し正義感の強い、普通の女性だったのではないか。広島での英語指導助手の経験もあり、原爆の被害も頭をよぎったという。面白かった。
コメントする