「政府と国と国民と」オフィシャル・シークレット Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
政府と国と国民と
ファーストデーに観賞
コロナですっかり洋画も貴重ですね…
2003年のイラク戦争開戦にまつわる
米英政府の陰謀を偶然見つけた諜報情報部のキャサリンの
葛藤と何が正しいのかを問いかける実話ベースの作品
感想としては
面白かったんですが
映画内でハッピーエンドで片づけるには
ちょっと複雑な気持ちになりました
日本で同様の事件というと
2010年の中国漁船体当たり事件でしょうか
領海侵犯した中国漁船が追跡する海保巡視艇に体当たり
船長は逮捕されるも当時の民主党政権が対中外交を
意識し船長を釈放し事象をもみ消そうとした
ところを衝突の動画がネットに公開された事件です
あの時もリークした海保官が英雄視はされつつ
公務員の私的な情報公開に懸念を持ったのは確かです
キャサリンは偶然目にしたアメリカの工作を
イラク戦争開戦につながると判断し独自にリークし
反戦活動家を通じてメディアにリークした結果
米英外交問題にまで発展し
実際にクルド人の旦那の身柄まで脅かされてました
キャサリンは後悔しますが弁護士らと話し合うにつれ
政府の陰謀で国民を危険にさらすのを防ぐ行動だった
という見解をもって主張する事になります
この後付け感が…まあそういうものですけど
確かにイラク戦争開戦の無理矢理さは理解しているし
その後のイスラム国台頭の火種になったきっかけの
戦争になってしまった事実を今は知りますが
それでも諜報部員が身勝手に統制を欠くのは
結果論的に不安が残ります
今は戦争より遥かに損害が及ぶ経済制裁や
今のコロナ禍などがありますし情報のコントロールは
より重要になっていると思います
日本のマスコミはもう真実を追究する気は無いようですし
自分達で信用できる情報を得ていかねばなりません
それだけに公務員の守秘義務は維持して欲しいところです
怪しいと思う瞬間がいくつもあります