「イラク戦争をイギリス側の観点で描いた良い映画。」オフィシャル・シークレット yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
イラク戦争をイギリス側の観点で描いた良い映画。
楽しみで終業後すぐに見に行きました。埋まり率7割くらい。
アメリカによるイラク(侵略)戦争をイギリスの立場から描いた、実話に基づく映画(実話に基づくとはありますが、最後に「実話に基づいていますが表現などについて一部誇張したところがあります」という趣旨の表示があります(翻訳されていない))。
もともとアメリカ等では上映されていた映画で、かなり「格式高く」作られています。
★ ヒントとなる描写が結構見落としがちで「なるほどな」と思える
※ イラク(侵略)戦争、アメリカ/イギリス英語の違い等の予備知識必須です。
・ 使われている語彙(字幕版だと日本語だけですが…)が結構練りこまれている
※ 特定の分野でしか使われないであろう英単語がどんどん飛んでくる
・ 最低限の時事ネタ(とはいえ15年くらい前…)は知っていないと置いてけぼり
・ ごくごく最低限の裁判に関する知識(逮捕~起訴、有罪無罪判決の流れ)が必要
※ 日本とは若干違うところがあるようです。
…といったところで、今年ですと「エジソンズ・ゲーム」に似た雰囲気(理系ネタバリバリ vs 文系の歴史/英語/法律のリアル知識バリバリ…)を感じました。
非常に良い作品と思ったものの、下記0.5で4.5としました。
0.3 … 特段の事情もなく、突然に「大人のいとなみの描写」が出てくる点。もちろん映倫のコード通りだし最低限ですが、ストーリー的に出る意味があまりなく(それがポイントになる点は一切存在しない)、ちょっと残念に思えた点。
0.2 … ヒントとなる描写、言い換えれば「主人公が訴追されるまでの流れ」の発端となった「ある誤り」がポイントになる点がありますが、この点は字幕版では「<特定の表現>」(ネタバレなしなので、ここは伏せてあります)としか書かれていないものの、実際には背景にあることを知らないと、かなりわかりにくい点。
(日本では特段の事情がない限り、イギリス史やイギリス英語など、イギリスに特化した文化を学習する機会は少ないため。ここヒントかも…。)
ただ、映画の楽しさとは別に「大人の知的好奇心をくすぶる」という点では非常に良い映画ではあると思い、8月ももう終わり9月、残り4か月ですが、1,2位を争う今年の良い映画となりそうなところではあります。