ロード・オブ・カオスのレビュー・感想・評価
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何も知らずにバンド映画を見るつもりで足を運んだわたしを嗤うがよい
メイヘムもバーズムも「なんかカッコいいな」程度に聞き流していたうっすいメタル好きのわたしは、当然そのバックグラウンドなんか知っちゃいなかった。だから「メイヘム? 知ってる知ってる」みたいな軽いノリで足を運んだのだけど、それがまさかこんな恐ろしい映画だったとは。
まあしかし、意外とこういうことは身近であったりするよね。カッコつけだったりいきがったりで悪ぶってるんだけど、そういう仲間同士の馴れ合いの中に一人だけ本当にヤバイやつが紛れ込んでて、そいつに向かって偉そうに講釈たれてたら相手も本気になっちゃって。で、引くに引けなくなって最悪の結末を迎えたりすんの。まあこの映画ではその最悪が本気で最悪で、しかもだいたい現実に起こった事件どおりだっていうところが一番ヤバい訳だけど。
映画観終わって改めてバーズム聞き直したら、やっぱりカッコよかった。たとえ作った人間が殺人者で放火魔だろうと、良いものは良い。
デスメタル界隈は詳しくないけど、丁寧に作られた良い映画だと思った。...
デスメタル界隈は詳しくないけど、丁寧に作られた良い映画だと思った。
アレな描写があるのでリアル知人には勧められないけど、私は観てよかったと思ってます。
【カオスを考える】
青春と呼ぶには、あまりにも残酷で切ない。
どこか時代に取り残された感覚を覚え、鬱屈した気持ちになりがちな若者や、そうした気持ちになったことがある人には、共感されるところはあるのではないかと感じる。
退廃を求めたり、世の中が全部敵のように感じたり。
(以下ネタバレ)
ブラック・メタルと主張しても、実はヘヴィメタルから取り残されたというのが現実ではないのか。
だから、自らを肯定し、自分たち以外を否定するという行動に繋がったのではないのか。
世の中は、それほど詳細なカテゴライズを求めてなんかいない。
そして、その鬱屈した世界観は宗教観にまで及んだだけではないのか。
主要なキリスト教に対して、サタニズムや、多神教、アニミズムを無理やり対立軸として仕立て、シンボライズしていく。
ユーロニモスはカオスを主張していたが、正反対の綿密なシナリオを持っていたものも、実はユーロニモスではなかったか。
それは、デッドの自殺によって、ヒントを得て構築されたものだ。
しかし、ヴァーグ(クリスチャン)も、ファウストも、ユーロニモスのシナリオには乗ろうとしない。
それどころか、直情的な行動が目立ち、ユーロニモスは、彼らの内面に巣食うカオスに気付いたのではないのか。
デッドのカオスはヒントになったが、ヴァーグのカオスは破滅的だ。
だから、袂を分かちたいと考えたのではないのか。
カオスとは一体何なのだろうか。
必ずしも破滅的である必要はないはずだ。
そして、それは状況や演出のことではない。
きっと内面の状態のことだ。
トラウマを抱えて頭をショットガンで撃ち抜いたデッドのカオス。
名を上げるために取る行動に、結果を想定することなどなく、制御の効かないヴァーグとファウストのカオス。
世界はそんなもののためにあるのではないことを理解しつつも、それに圧倒されるユーロニモス。
一度狂った歯車は、二度と元に戻ることはない。
こんな悲劇的なストーリーではなくても、友情が突如破綻する青春のストーリーは、どこにでもあるような気もする。
カオスなんて作り出そうとして出来るものではない。
カオスは、きっと、僕達の頭の中に潜む、合理的とは程遠い感情だけに依存した世界なのだ。
思想、狂信の行き着く先
僕は音楽好きですが、ブラックメタルは聴きません。また、悪魔崇拝とか良くわかりません。
本作は興味本位で鑑賞です。
まず、実話ベースなんですよね。観終わってからwikiで読みましたが、まさかねーって思うほど実話に忠実なストーリーの柱です。
(前情報が無い方が楽しめると思います。)
本作はノルウェーのメタル、酒、女、パーティー好き若者達の青春ムービーです。建て付けは。転がるように黒く染まっていく様は、最近見た「ジュース」みたいでした。それと異なるのはこれは「信」と「誉」を狂ったように追い求めた結果と言うこと。
オウムのドキュメントを見た時も思いましたが、人間は信じ込むととんでもないことをします。
それだけでゾッとします。
自分で自分をマインドコントロールしてる例じゃないですかね?本作にでてくるヤバい連中は。
(ボーカルの彼は違うと思いますが)
主要人物の今をネットで読んでみたら、凄い供述してたんだなーと。やっぱ、コントロールしてるわ、と恐ろしさ追体験。
ま、事実は当人にしかわかりませんが。
事実を知った上で本作を振り返ると、脚本が上手いなーと思いました。いくばくかの色付けはあるものの、個人の事情を背景にした動機付けが必要な分だけ描かれているし、バンドの変容していく様も丁寧です。説得力あります。スタートがそれなら終わり方もそれ選ぶよなって。
また、演出も見事です。
色があるようで無いと感じちゃう画面の色。無機質っぽい、けど血の匂いがしそうな感じ。ノルウェーは行った事がないですが、風景の殺風景がまた良い。
暴力描写も徹底してます。けど、これが必要な作品ですね。
黒い青春作品、観終わると暗くした部屋の片隅で、一人体育座りしたくなります。
黒い一瞬の煌めき。秀作。
こんなノリ嫌だ 笑
メタルバンドなんて普段聞かないし、ブラックメタルなんて尚更。単純に18禁映画を久々に見たいと思ったから見に行きました。
見て思ったのが、以外と単調で再現ドラマのようでした。 メタルバンド出身の監督だし、独特なタッチかなと思ったら肩透かしを喰らいました。ですが、この短調さが普通の男の子であることが印象づけられました。特にホアキン演じるリーダーの口だけ達者で、いざとなるとしりつぼみする感じも人間らしさが醸し出されてるし、周りにメンバーもどこか無理してるような感じもする。
ただ18禁だけあって、殺しのシーンは酷かったです。もうその辺でやめましょうって感じです。
家族はかなり可哀想
悪魔崇拝とか、このジャンルの音楽とかほんとわかってなくて興味もなかったわけですが。
序盤から強いられる緊張感。
凄かったですね。
だんだんとエキサイトしていくメンバー達。
いや、怖い。
ちんけなホラーよりよっぽど怖かった。
初めはそんなつもりじゃなかったはずなのに、何故だかどんどんハマっていく底無し沼?
その一方で、優しく見守ってくれている親や兄妹たちがいたりして。
そこはちょっとやり切れない。
でも、おもしろかった!
OZZYはコウモリで病院直行でした。
ノルウェーのブラックメタルバンド「Mayhem」を題材にした、事実とフィクションの入り混じったカオスな話。
当時メタルが大好きだったから、Mayhemを聞いたことはあったけれど、自分には可も無く不可も無く特段ハマらずという印象で、Mayhemに詳しくはないものの、序盤とラストの事件位は既知で観賞。
理由については…フィクションなんですね。
「ブラックメタル」というジャンルに思い入れは無いし、自分は単に音楽としてメタルを聞いていたけれど、本気で悪魔崇拝的な思想を持つ人もいた訳で、やっぱり宗教的な思想が強い人は違うのかなと考えさせられるし、ポーザーと揶揄されたことに意地を張ってやり過ぎて、取材シーンで指摘されていた通り、それこそ究極のポーザーだと気付いていないというね。
その部分はフィクションだと思うけど、こうしてサイコは産まれるという一例みたいな感じが痛々しく、とても面白かった。
悪魔万歳?! ポーザーにはついていけない黒い青春
ポーザーにはついていけない世界。若い演じ手たちのおかげでホロ苦い"ブラック"青春映画的趣もある。
※グロすぎ警報※
悪魔万歳!本気か?大口軽口要注意!! 実行しない"口だけ人間"にチクっ(どころか脳髄までグサリ)とくる内容、他人事じゃない教訓。ハッタリかますだけの主人公は他人の手柄を横取りしてばっかり。一方で、DQNネーム"ヴァーグ"ことクリスチャンは一ファンに過ぎなかったのに、真に受けすぎて、そうした何もかも行き過ぎた言"動"が信念そのものに。本作のそれはさっさと主人公食う(そして主人公が脅威を感じる)存在にまでなるので、内実はまるで違うが、導入部など少し"狂信的ファン"モノっぽさも?執拗な暴力描写、ブラックサークルやばすぎ!!
BASED ON TRUTH... LIES...
AND WHAT REALLY HAPPENED
カルキン弟(『コロンバス』)頑張っている。口は災いの元!キルマー息子もいる。彼のトラウマ級に衝撃的な死、そこから本格的に狂いだす歯車。スカイ・フェレイラのナイスバディさ初めて知った。
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