劇場公開日 2020年10月3日

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「暇なので見た」生きちゃった kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5暇なので見た

2023年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 出会っちゃった、やっちゃった、生きちゃった・・・パピコや扇風機や犬の影絵などなど、小物など伏線は充実しているけど、感情を押し殺した演技のおかげで主人公たちの本音が明かされない部分が多くてイライラもさせられる。

 約5カ月ぶりに映画を観たので(映画館はまだ行けてない)、家庭環境や人間関係を把握しようと身構えた。。断片を切り貼りし、微妙な時系列、寸止めで切り取るシーンなどが心地よく、TVドラマにはない映画っぽさを感じた序盤。

 ふーん、なるほど、妻・奈津美(大島優子)に愛想を尽かされ、洋介(毎熊克哉)という男との浮気現場を目撃したため離婚に至る山田厚久(仲野太賀)。結婚する前には早智子(柳生みゆ)という婚約者もいたのだが、幼なじみでもある奈津美との結婚に至った・・・。一緒にミュージシャンを目指していた親友の武田が心のよりどころだった。

 人物設定の中ではこの早智子の存在が弱い。結局、子どもが出来なかったから別れる決意をしたのだろうか、そうであったら最低の男。この詳細が描かれないのがのめり込めない要因の一つだった。それならそれで、親友との付き合いにも時間を割くべきで、中国語、英語を一緒に学んで起業しようとするところも掘り下げてもらいたいところ。

 厚久の兄が引きこもりで、弟思いの性格がわざわいして事件を起こしてしまう。そして元妻となった奈津美にも不幸が・・・といった展開は、世の無情な事件たちの縮図だと感じさせるし、経緯を理解しない第三者的家族の冷たさも心に残る。実の子に会いたいと願うカスみたいな男は俺の周りにも数人いるなぁ・・・うんうん。

 若手俳優の中では仲野太賀の顔の演技が素晴らしいと思ってるのですが、今作はそれを逆手に取ったような内容。表情をじっくり見ていれば感情は伝わってくるのだけれど、言葉では上手く伝えられない男たちを描いた作品と言えようか。「英語なら上手く言葉にできるのに」「泣けないのは日本人だからか?」など印象的な台詞もある。そして、5歳になる娘すずのことを思いやり、自ら身を引く決意。親友にしか伝わらないほどの決心。そのボロボロになるほどの涙がやはり顔芸俳優・仲野太賀の真骨頂なのだろう。

 「暇じゃないんだよ!」という台詞は映画を観ている客への挑戦か?

kossy
しろくろぱんださんのコメント
2023年11月15日

石井裕也監督の作品を
初期の作品から辿っていた
ところで生きちゃったを・・
自分はレビューしてなくて
kossyさんのレビューが一番上に載っていたので。

配信で一気に見たわけでなく何度かで最後までみたという感じです。
感想は…というと
主人公の二人の心情がいま一つわからなかった。という印象です
レビュー書けない作品は結構あります。

しろくろぱんだ
琥珀糖さんのコメント
2023年10月30日

お返事と共感もありがとうございます。

本当に若葉さんは大賀さんが好きそうでしたね。
あんな優しさ思いやり、なのに大賀さんはやはり女性好き・・・なのかな?
音楽をめざしてて、ギターも上手かった!!
その辺り、コロッと忘れてました。

琥珀糖
琥珀糖さんのコメント
2023年10月30日

お待ちしていました。

琥珀糖