ブラック・クリスマスのレビュー・感想・評価
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溢れ出る過剰なフェニズム
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同作は2006年にもリメイクされているが、今回は更に別物にされている。
もう電話はほぼ関係無く、相手もコミュニケーション不能な精神異常者ではない(ある種イカれてはいるが)。睡眠薬レイプ被害の過去を持つ女子大生が主人公。
原典の「密かに進行する狂気と悪意」とは異質で、ハロウィンのマイケルの様に悠然と姿を現わし直接的な暴力で圧倒するタイプの犯人。
犯人側の情報を出さないままの展開だけは悪くないのだが、スリラーかと思えば黒魔術がらみのオカルトで、犯人達の正体は悪い魔法で操られていた男子学生という、幼稚園児並の発想。しかも操られていた男子学生は女性陣に皆殺しにされる。悪いのは教授とレイプ犯だけじゃないの?
最も怪しい人物が実際に犯人で捻りも意外性も無く、しかも女性監督の男社会への敵対心と偏見が前面に出過ぎていて、男に従順な女は裏切者扱いで死ぬ展開だし、男尊女卑の教授とレイプ犯にウーマンリブの闘士達が団結と暴力で勝利するという、監督の偏った精神性が作品を台無しにしている。
女性監督はこれまでの人生で「女は黙ってろ」と言われ続けてきたのか、男に対する憎しみと過剰なフェニズムが溢れまくっている。更に作品中、唯一まともに描かれたのが気弱な黒人青年で、黒人差別を絡める事でフェニズムへの批判をかわそうとするズルさも感じた。
これのどこがリメイクなのか?「2006年のリメイクよりはマシ」との意見もあるが、更なる駄作と断じる。実際興行収入も期待値の半分以下となり、評判も芳しくなかった。原典の評価すら落としかねない改悪リメイクはやめていただきたい。
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